自転車体型
その昔、アレックスのところでパーティーがあった時、お客の一人がアレックスにじつにいい質問をした。 「アレックス。昔の自転車選手と言うのは、もうヘラクレスのように首も筋肉も太く、手のひらも胸板も厚かったものだが、最近の選手はどうしてあんなに痩せているのかな?」 脇で聞いていて、これはいい質問だと思った。 「それはじゃな。昔は筋力で乗った。今は身体全体のパワーで乗る。だから筋肉はさほど必要ない。」...
View Articleどじょう国民計画
なんでも「どじょう」は徐々に自分の入っている水の温度があがってくると気が付かないで料理されてしまうらしい。 なかに豆腐を入れておくと最後はそこへ逃げ込むが、そこでおしまい。...
View Article最後のクリスマス・プレゼント。
今日、クリスマス・イヴの早朝、8時半に何か荷物が届きました。「こんな早くに荷物が来るのは珍しいな」とドアを開けて荷物を入れました。 その時は気が付かなかった。 「ああ、頼んでいたフレーム関係のものを送ってくれたんだ。」と思っていた。箱から中身を出して片付けようと思っていたら、目が点。昨日SOU儀があった親友というか畏友というか戦友というか、その彼のブランドの箱だった。...
View Article大詰め
日夜忙しく、先日の軽量ラグはフレームにまとまり、フレームを磨いて仕上げ段階。ループトップも2台はあがり、仕上げに入った。そしてキャリアを5つ作り、スタンダードの28号を3台作り、まあ、一ヶ月6本フレームとキャリアをつくるともうつくるほうは身体はガタガタ。 ロウを盛った部分の曲線と言うのは無限にあるわけで、「この曲線が欲しい」というのは人任せにできない。...
View Articleクリスマス・カード
さまざまな手紙やカードがきます。なかなか返事が出せない。 英国の1870年に創立されたクラブ、ピクウイック・サイクリング・クラブは筋金入り。前輪の大きいダルマ自転車とかばかり。メンバーは600人ほどで『全員男性』。 もう一通は『こういう部品はそろいませんか』という手紙、これは国内の方。ある意味典型的なのです。「雑誌の被害者」と言う感じ。こういうリストには『見てみたいですねぇ』と言っておしまい(笑)。...
View Article長寿と長命
何歳まで生きるか?というのはなんともいえない。30代で命が尽きてもラファエロやゴッホ、ロートレックのような人たちがいる。レオナルド・ダ・ヴインチですら60代までしか生きなかった。 それを突き抜けてのちの、安定した『おまけの楽しみ人生』が問題。 肉体的に長く生きて、生きがいがないのなら、体力もなく、これからのちの人生がどういうものになるかハッキリ見えるだけに、いっそうもやもや感がつのるだろうと思う。...
View Articleそれで理解されるのか
昔、高校時代、フランスの文学を読んでいた時、現代国語の先生といろいろな話をしまして、その時読んでいた本はアルベール・カミュでした。その時、人間の「罪」に関して興味深い話が出ました。 ある人がお腹が痛いと言っていて、冷えたんだろうと思って温めてあげた。そして結果その人が死んでしまった。それは『冷さないといけない内臓の問題』だったとしたら、その人の責任はどうなるのか?という話題でした。...
View Article愚かなる軍師
「阿部之守はついに『いくさ神社』に行きましたな。」 「まことに愚かなこと。これで清国らにみすみす栄えある我が國に『悪者札』を貼る機会を与えてしまった。世界から見たら、なんという稚拙で知能なきなやりかたであろうか。阿部之守がこの國を卑しめ貶めた責任ははかりしれぬ。『螺曇』(らどん)の吸いすぎでおつむが腫れたとしか思えぬ。」 「しかし天善殿は神社へよく行かれるではござらぬか、勤皇ではないと申されるか?」...
View Article手組みということ
おとといは睡眠時間2時間半。そのあおりで昨晩は夜電車のなかで寝込み、とんでもない方向へつれて行かれそうになった。 「乗って帰ります」と言う人がいて、組み立てをやっていたのですが、ホイール組みの時間と古いデッドストックのハブの出荷時のグリス洗浄、グリスアップ、フリーホイールの洗浄、フレームのヘッド小物圧入、本体の組み立てで、計ってみたら、14時間かかった。...
View Article工賃・部品積算法の誤り
いまから40年ほど昔の話。西風の翁が言っていたことですが、『この部品がいくらだから、これはいくらする』という自転車の計算方法はおかしい』というのです。 その頃はわかったようなわからないような話でしたが、今となってはハッキリ理解できます。 たとえば、実際のところ、ハンドビルドの自転車の価格と言うのは『手間賃』です。部品の価格差より『時間』の問題が大きい。...
View Article新春初走り
大晦日があけてからシャワーを浴び、身支度をして1時間ほどのち、私の初走りは毎年始まります。 まわりは「もう若くないし、リッパなおじさんなんだし、白髪が多いたちなんだから、下手したらおじいさんと思われるんだからやめたら」と言う。 何のためにやっているのか?それも一人で。...
View Article酒は世につれ
酒は身体に入ってしまえば、あとは消えるだけですから、『味は脳の中にしか残らない』。実際、今のスコッチなど、40年前のものとかなり味が変わっています。グレンフィデイックなども昔のものを見つけて飲んでみると『別物だな~、美味いな~』と思います。逆に昔そこそこだったところが、今はまわりが地盤沈下したために美味く感じたりもする。...
View Article酒は世につれ2
今年の1月1日の深夜は、甲州街道がやけにすいていました。私のこどものころにタイムスリップした感じがした。 かつては甲州街道を走って自転車で長野まで行く。この道を辿って遠くへゆけるという意識がはっきりありました。「諏訪からは中山道で、、」などとは、いまやそんな気がしない。あまりに自動車が多くなりすぎた。...
View Article七福神めぐり
もう毎年吉例となりました七福神めぐり、明日3日、午前10時に多摩川四谷橋に集合。今年はみなさん忙しいようで、私も前日に告知と言うありあさま。それでも行います。どなたでもお気軽にご参加を。しかし、私は自分の車輌をいじる時間がなく、紺屋の白袴で乗ってく車輌がないんだな(笑)。いま悩んでます。どこかの会社の車輌で行って、演技派レスラーのように『痛がってみせる』というのもいいかもしれません。
View Articleおおつごもりの夜
天善は日が暮れてよりのち、年末にいつも訪れるぐんだり明王に御参りし、そのままとって帰ると甲州街道を西へ向かった。 これから甲州街道が山道へ入らんとする宿場町のはずれに吉兵衛翁を訪なった。 「御免。」 「天善さん。今日は遅いねぇ。矢文がきたからそのあと半時ばかりでくるかと思ってましたよ。」 「師走の速さには天狗の走りもかなわぬ。この一本はおぬしの健康のため。もう一本は幸せのためだ。」...
View Article祝東京ー宮城完走
年末、乗って帰られた方、無事宮城県にたどり着きました。悪天候があったので途中郡山で天気の回復を待って宿泊し、こちらを出たのが午後遅くでしたので、正味2日間と半日ほど。凍結路面とブロックパターンのタイヤの悪条件ですから、ツーリング・マシーンとしてのパフォーマンスとしては充分以上でしょう。うちは東京の西のはずれですから総距離数は600kmほど。ドライな路面ではロードなら速いでしょうが、ロードでは荷物が詰...
View Article七福神めぐり
七福神めぐり、ことしも無事に終わりまして、毎年いらっしゃるかた、今年初めてのかた、合わせて12人ほど。今年は体調不良で来られなかった人や家のことで抜けられなかった人などもいて、まずそこそこの人数でした。 初回からかかさずというのは私一人になりましたが、その変化は、参加者のほとんどがアップハンドルの人になった、ということが何より感慨深い。最初の頃は七割がドロップハンドルでしたから。...
View Article腰痛と自転車
今年の七福神めぐりは腰痛で参加できない仲間がおりました。電話をすると、 「ほぼ100%無理。」 とのこと。 この年になると、まわりで腰をやられている人がけっこういます。...
View Articleげんをかつぐ
本日は御用初め、世の中的には大安で、たぶん宝くじ売り場は『本日大安』ののぼりが出ていると思います。 しかし、私はもう少し深読みする。本日は「危」で、引越し、釘打ち、物を発送したりすれば大貧乏する悪日。...
View Article老人から学ぶこと
若い頃から老人と付き合ってきたので、『人生に対する立ち位置』に独特の感覚を教えてもらった気がします。 一休さんは正月に髑髏をもって練り歩いたとか。人間いつ死んでもおかしくない。 まわりの自転車関係者でも75歳、85歳はごろごろいる。95歳の人もいる。ほとんどの人が、自分は例外的に110歳まで生きるとは思っていないでしょうから、残りの部分、あるいは数年間の覚悟で力を尽す姿勢があると思う。...
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