いまどきのカメラ屋
ブログアップに今使っているカメラがずいぶんくたびれてきて、握り部分のゴムも剥がれ、同じのをもう一個買っておくかなという気分になった。 こういう道具は「必要にしてかつ充分」という道具で、手のなじみを変えないのが本当だと私は思う。 写真家セシル・ビートンはインスタント・カメラに近い安物でずっと写していた。カルチェ・ブレッソンは写真がカラーになってから弱まった気がする。ドアノーはずっとツアイス。...
View Article変速の2つの意味
こういうことはどこの雑誌にも本にも書いてありませんが、私は「自転車の変速機能には大きく分けて2種類の本質的な個性がある」と考えています。 私の世代の多くは、自転車を、リア4段から5段で乗り始めています。普段は真ん中で、乗り、これは実用車や軽快車よりちょっと速い。向かい風の時や登坂、悪路などではもう一枚か二枚、大きいギアへ変速し、追い風や下り坂、速度に乗った時はもう一枚か二枚、小さいギアへ入れる。...
View Article『空気製造』をする者
日本語ではよく「空気」というのを口にする。最近では「空気よめない」にはじまって、「そういう空気ではなかった」という表現。 もうひとつの興味深い表現は「お祭りになっている」という一言。これはネットの関係でよく耳にする。 昔、山本七平が空気の研究という本を書いて、第二次世界大戦中、日本がいかにこの『空気』で突き動かされていたかを説明していた。...
View Article時代の様子
あるパーティーで故K章太郎さんと話していて、思わずにやりとしたことがありました。 「R&Fさん。うちの雑誌面白いですか?」 「いや、まあ、古いクルマの特集があったりするとたまに買いますけど。」 「ああ、それはありがとうございます。ボクはねぇ、1980年ぐらいまでの分しか家に置いていないんですよ。」 「それはどうしてです?英国車が存在を薄めて行き、ドイツ車が台頭したからですか?」...
View Article狐火の吉兵衛
くろがねの吉兵衛はある大商人の会合へ出かけていた。 新しい商品の説明であった。吉兵衛は表向きは商人であったが、じつは愛宕天狗の配下の者、事細かに状況を天狗堂の執事に伝えたのであった。 「いや、執事様、もう、ずいぶん世の中変わっちまったもんでございます。」 「さようか。何か目新しいものはあったか?おおかたエレキテルからくりのたぐいであろう?」...
View Articleだまされちゃいけません
20世紀後半から21世紀初頭にかけて、一番目立った社会の変化は、私は全世界的な『ワーキングプア』の激増だと考えています。 これの元は、『経済が発展するとみんな豊かになる』という虚像によるものだと思う。...
View Article派手の心理
ヨーロッパでの各国のイメージというのは興味深い。1990年代から現代にいたるまで、英国とイタリアには一種の蜜月時代とでもいう関係が続いています。政治的にではなく、若者の親近感に於いてです。...
View Article「いいなり」が偉いのか?
どうもこのところ、『悪い雑誌』に影響されて、『オーダーすれば何でもこちらの言うとおりに出来る!ボクだけのクルマ!!!』と180度勘違いしている人を多く見かけます。 それは既存のものを、『自分の眼力のほうが上だからもっと良いものが作れる』、と、かなり舞い上がった思い上がりが背景にあるのではないか。 本当にそれが出来る人は一握り。...
View Article月夜の晩ばかりではない
私の父は、よく仕事が終わると庭の温室でぽや~っとしていたものでした。最初のころは蛍光灯をつけていたのですが、ある時、山小屋にあるようなランプを買ってぶらさげていた。 父は山をやっていたので、ランプにことのほか思い入れがあったのかもしれない。 このあいだの名月の時は、ロウソクのランプでしたが、どうも風情がいまひとつだな、とオイルランプをぶらさげた。...
View Article人間中心思想の終焉
ここ25年ばかりの間に、世界で起きたことを考えると、今は非常に大きな推移期であると思う。 最初は新しいタイプの富裕層の登場。バブルがあったり、そのあとの経済の波を巧く泳いで巨額の富を得た人たちの出現。...
View Article連獅子風
ひのたま地区にはたまに真っ白いポニーが散歩しているのですが、一瞬そのポニーかと思いました。 前へ回るとワンコでした。性格よさそう。 はけの水の中を悠然とゆく。 まだ彼らほど毛があると暑いんですね。 ひのたまはまだアブラゼミが鳴いている。 こういうもふもふしたワンコには惹かれます。
View Article定義が違う
英国にいた時、よく自動車雑誌を買いましたが、『ああ、自動車というものの定義が違うのだな』という印象を持った。 むこうで、150年以上前は、医者でも農場主でも貴族でも、そこそこの地位にあれば馬車に乗った。ホームズのような都市型人間は『ハンサム』という『キャブ』(馬車タクシー)に乗った。...
View Article御気兼ねさま
英国でこどもと一緒によくテレビをみました。私も爆笑したのがHorrible historiesというもの。歴史を教える教育番組なのですが、寸止めなし(笑)。 アップされてるかな、とYoutubeで見てみたらありました。 何が面白いか?というと、たとえば第二次世界大戦中にエリザベス女王が王女時代、救急車の運転をやったり、整備学校にかよって自動車修理を学び、ご自身で自動車の整備をしておられたという話。...
View Article「避ける力」
まわりを見渡すと、自転車で転倒や事故を起こさない人は何十年も起こさない。起こす人は年中行事のように起こしている。 これは運の悪いこととかと関係ありそうですが、そうではない。...
View Article100年の変化
昨日、八S出版社が新刊の自転車の歴史の本を送ってきてくれまして、それに関して寝る前に調べ物をしていたところ、偶然、明治時代の理髪店の絵を見つけました。 その理髪店の鏡の前には、山小屋のような吊りランプがある。ちょっと調べてみたら、ランプが廃れる境目は明治30年前後という。さらに山岳地のほうなど、電気をもってくるのに難しいところは昭和の初めまでランプが使われていた。...
View Articleこの4分の一世紀
1980年代はずいぶんと海外へ行ってお金の使い出があった気がする。海外へ行って財布の中身を心配する、、などということはなかった。「なんでこんなに何でも安いのかな?」と正直思った。 手縫いの革靴を英国で買うと、当時は政府の援助金が出ていたので納税日前のセールを狙ってゆくと8400円ぐらいだった記憶がある。...
View Article19世紀のメイド
最初にヨーロッパに行ったとき、『チップをケチってはいけない』とかなり言われた。チップなしではほとんど生活が成り立たなくなってしまう人たちが、ウエイター、ウエイトレスでは少なくないのです。 だいたい黒い制服を着ているところは格式が高い。...
View Article知られざる古部品事情
いまから20年以上前の、1970~1980年代の部品。新品で残っていたのが出てきたとして、みんなが気が付かないのが、 「なぜ売れ残っていたのか?」 ということ。じつは外観が新品でも、何らかの不具合があって、使われずに残っていた可能性があるのです。最近、いくつかそういうものに出くわしました。...
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