段数の呪縛
もう10年以上前ですが、エリック・ザベルがスプリント勝負でギリギリの勝利を獲得した後のインタヴューを観た。写真判定を要するほどのぎりぎりの勝利だったのだが、彼はインタヴューで、 『ギアが1歯足りなかった。フロントのアウターをあと1歯大きくしていたら、あれほど苦しい勝負にはならなかったよ。限界まで回して筋肉は悲鳴を上げていた。千切れそうだった。あとゴールが3m遠かったら負けていただろう。』...
View Article夜の蝉しぐれ
蝉は27℃以上になると鳴くというのをどこかで聞いたことがある。 普通の日本の夏は、私のこどもの頃は、夜はカブト虫やクワガタの時間だった。セミが鳴く夜というのはあまり記憶にない。 静まり返った夜、たまに『ジッ』とか、寝言のように鳴くセミを聞いた記憶がある。ところが今年はず~~~~っと真夜中でも無数の蝉がワンワン大合唱している。ミンミンゼミまで暑苦しく鳴いている。...
View Article職人気質は消えてゆくのか?
このところ、強く感じるのが『インターネットが、人の人間関係を著しく損なっている』ということ。 最近、ヤフオクの買い物がすべて『機械的なボタン買い物』になって、もはやメールの文章作成すらも不要になった。ただ、現金の数字を打ち込んで、その数字が一番高ければ、それは我がものとなる。 支払いもかんたん決済。ここに一切の会話は存在しない。...
View Articleこれでいいこととしよう
夕方、ちょっと左右揃っていないロードエンドを削った。大きい方を小さくするよりほかない。この時代の泥除け用のアイはだいたい真ん中にあいていない。そういうものなのです。日本製はそこのところが細かい。...
View Articleヴァカンス1
テレビを見ていて、『ああ、どうしてこういうクルマを引き合いに出したのかな』と違和感を持った。『最新型を出せばいいじゃないか』と思った。 撮影場所は、千葉の香取の界隈だと思うのですが、そこに、そういうクルマがいるのがずいぶんおかしい。...
View Article手遅れになる前に
興味深いな~と思ってみているのは、今年はこれほどの歴史的酷暑なのにもかかわらず、電力が足りないという話が出ない。まったく聞きません。 一時期、核発電にしないと足りなくなる、とさかんに言われていたのはなんだったのか? 昨日、友人の喫茶店が、このあいだの台風災害で無事だったかな、と電話をかけてみた。前にも5~6回電話をしたのですが、つかまらなかった。昨日はつかまって無事だったので一安心。...
View Articleヴァカンス2
ヨーロッパだと夏の長期休暇が5週間まで認められているところもあるので、日本から見るとまったく違う世界という感じです。 『お盆休み』というのは『ヴァカンス』とは違う。お盆はもともとは、家族、親戚、お寺などとの関わり合いの上での年中行事のお休みで、義務的な部分が多い。ヴァカンスは完全に自分を充電するための休みですから。...
View Article住み家をめぐる妄想
20代のころ、ずいぶん『こういう部屋に住みたい』と妄想をふくらませていた。 現実、英国であれば、それはたいした苦労もなく実現可能だったと思う。本もずいぶん買って研究し、実際に歴史的な家を訪ね歩いた。...
View Articleサマータイムの意味
なんでも日本でもサマータイムを導入しようという輩が一部にいるらしい。 なんと愚かな。 サマータイムが世界に先駆けて導入されたのは英国だが、それは『英国に住んだことのある人なら、その合理性がわかる』。...
View Articleブラックの自転車
ブラックはずいぶん良いアルファ・ロメオを持っていたのですが、ほとんど乗らなかった。マチスもクルマが好きで、モディリアニがたまに絵のことで相談に行ったアンドレ・ドランはブガッティを持っていた。...
View Article声は出さずとも
『声は出さずとも、世の中の大半を覆っているさまざまなことに異論、反論を持っている人は多い』、というのが、長年人間をやってきて感じること。 そう言うことを口に出す人は煙たがられるが、世の中には必要な人だ。...
View Article何はなくとも
『窓が壁みたいに詰まっていたら役に立たないだろう?茶碗の中に空洞がなかったら役に立たない。その何もないところが役に立っているんだが、いつしか、それだけじゃしかたがないんで、もうちょっとそこへ模様を付けてみたり、、感じの良いものを作ろうとかしているうちに、いつのまにか、きれいにその茶碗の外側が作れるって言うことの方が重要だと思われるようになっちゃったんだろうね。』 絵の師がそう言うことを言っていた。...
View Article文化はつるべ落とし
今日はお盆の入り。考えてみると、このブログを始めてからずいぶんまわりで知り合いがNAKUなった。 お寺などでは、場所によっては供養のため歴代の管主、宗祖からの系譜を毎日読み上げているところがある。 ずいぶん前に観たフランソワ・トリフォーの映画で、政府が本を持っている人がいると、やってきて、本を焼き払うというSFがあった。その映画の最後に、BOOK...
View Article雷雨
『猛暑のあとは嵐のような夕立か。』 天善は上方の友人に送るものがあったので、早飛脚に荷物を渡しに出ていた。 彼は双輪車の部品を伊太利亜國より届け、お盆が過ぎれば再び羅馬に向けて旅立つ。 激しい雨に打たれ、蝉の幼生が路上でひっくりかえっていた。無数の小さい蟻が襲い掛かろうとしていた。 『蝉に産まれるのも楽ではないな。』...
View Article昔の落差
いまから40数年前、ヨーロッパのハンドビルトと、日本の量産車と、外観上、機能上どのくらいの差があったかというのは、なかなか当時を知らない人には実感できないだろうと思う。 このブルーの車両は当時のけっこう良い大量生産車で、これで公務員の一か月分の給料とほぼ同じ価格だったわけです。その中にこういう白い車両があったらどうか。...
View Article何のために製造するのか?
この20年ぐらいで、自動車関係者や自動車メーカー、モーターサイクルメーカーが自転車を同じ名前で販売するというケースがものすごく増えた。最近では日本の大メーカーのスポーツカーのブランド名のロードレーサーもでているようだ。 19世紀末から20世紀初頭に創業の自動車メーカーの多くは、もともとは自転車屋だった。それがモーターサイクル製造業に行き、やがては自動車に行き、自転車部門を切り捨てた。...
View Articleお盆のころ
このごろ『世代交代しているな』としみじみ感じるのは、このお盆のシーズンの時です。 私がこどものころ、よく大人たちに言い聞かされたことは、お盆の頃は殺生をしてはいけない。虫取りも休みにしなさい、と言われた。これは自分の親ばかりではなく、よその知らない大人にも言われた。 あと、お盆の時期、川遊びと海水浴はお休みにしなさい、きっとあのよへ引っ張られるから、と言われた。...
View Articleともに果てるまで
しばらく前の話になりますが、洪水に襲われたエリアの人たちの様子のドキュメンタリーをやっていた。その中でちょっと違和感を感じた部分があったのですが、それは親御さんが、まだ4歳か5歳のこどもに『ぬいぶるみを置いていこう、もう汚いよ。』と言っていたのでした。...
View Article権威の腐敗
このところボロボロと日本の権威のメッキが剥げてきた。医大では男子生徒に点数で下駄をはかせる。居合のほうではなにやら段とからんでお金の問題が出ている。 病院に入れば、看護師に消毒液を点滴されたり、その看護師には『誰の権威によって資格が与えられたのか?』。情操をたしかめるための哲学、文学などの人文系の学科があってしかるべきなのではないか?...
View Article妖怪老師
最近は妖怪や怪老人にはずいぶん生きにくい時代のようで、そういう人たちを見かけなくなった。 顔ですでにわかってしまうのだ。人生の退屈にやられた面白くなさそうな、苦い顔をした中高年が増えた。妖怪や怪老人は、もっと『しぶとい』面構えをしている(笑)。 映画などでは、よく老人や中年の人が杖を突いて、昼飯を食べるのにもことかいて、若者が助けると、じつはそれが武芸の達人だったりする。...
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