初心と野性味
むかぁ~~~しのことでござる。 生まれて初めてイタリアの自転車に乗ったことを思い出す。中学生の頃で、名選手、フィオレンツォ・マーニに名前を取った自転車に乗った。 まだクルマの通りの少なかった甲州街道を疾走して、「これは鬼才の作ったものだ」と思った。乗り味がまったくの『外車』で、国産のスポーツ車とはまったく違った。 何だか知らないが、ビュンビュン行く不思議な感じでした。...
View Articleカヴァリエ―レ・カルッチーノ
このあいだ、クルマの車窓から、或る店の店頭で箱を運んでいる同級生を見た。こちらも急いでいたし、格別親しいわけでもなく、いまさら旧交をあたためようという具合でもないのでスルーしました。 ずいぶん変わっていた。彼は小学生時代、クラスの人気者だったのですが、いまや髪の薄くなって腹の出た普通の後期中年~前期高齢者に見えた。昔の栄華はしのぶべくもない。 いまやふつーのオジサン。...
View Article趣味の話
よく「趣味が良い」とか「趣味が悪い」とか言いますが、最近、「この趣味というものが干上がっている」ように見える。 ティーカップがいくつかあれば、持ちやすいとか持ちにくいとかいうことがあって、量がこれでは少なすぎるとか多すぎると言うことがあり、ふちの口当たりが良いとかダメだということがある。 それでもものすごく美しければ、多少の使いづらさには目をつぶるかもしれない。...
View Article和魂洋才
うちの近くの天神さまの梅林はもう咲いていると思います。そこの庭に石碑があって、石の上に『和魂洋才』と書いてある。 これはなかなか意味深いことで、いままでの日本のありかたをうまく説明できることだと思う。日本は科学や技術の分野でうまくやってきたわけですが、科学というものや数字というものは、ある意味『世界共通語』なわけです。...
View Articleタイムスリップ
昨日、夕暮れ時、天神さまの境内を抜けていたとき、ふと、昔、菅原道真公の息子が(府中にあった武蔵の国の国府で官吏として働いていた)が、はるか九州での父の不遇の死を聞いて木像を刻み、天神島に一堂を建て、その田圃のなかの小さい島のようのなところから現在の崖下に、夢のお告げによって社を移したことをふと思い出した。...
View Articleカエルさまは二度寝る
表へ出たらみごとな満月。 あっ!だとすると今日は年に一度のカエルの日! けろたま池に行ってみることにしました。 いました。この寒いのに寒中水泳。これで産卵して、彼らはもう一度冬眠。 この時期なら天敵もまだ活動していない。オタマジャクシが泳ぎ始める3月末からは水温も暖かくなり、4月になって小さいカエルになった頃は、小型の虫も出始める。 今日は息が白くなるほどでしたが、彼らは時期を知っている。...
View Article再メッキは感心しない
いままで当ブログでも何十回も書いてきたことですが、再クロームメッキは感心しない。 インターネット上の取引ではじつに『巧く写真が撮ってあって』、再メッキかオリジナルか判別できない場合が多い。 今月もみごとにひっかかりました。汚れた油ホコリをつけ、白く粉をふいたアルミのリングを『演出的に組み合わせたスチール・クランク』。手元に来たら再メッキのピット(あばた)がいっぱい。...
View Article瑞獣
私はいくつかの動物にはずいぶんとこころ惹かれます。なかでもねこ、カエル、ヤモリ、亀、雀には抵抗できない。 とくにカエルには恩があり、こども時代に大病をして半年以上入院していた時、ずいぶんカエルになぐさめられた。...
View Article一日の分かれ目
どうやら今年も蘭が花を咲かせそうです。もうあと一歩。 万年青もずいぶん元気になった。 前にも書きましたが、万年青は台風の日、たった一日で葉が一枚びしょびしょになり腐ってしまった。家の中に移しておけば良かったと思いましたが、後の祭り。微妙なものです。...
View Article眼の前の豪華
若いころ、私のヨーロッパの友人たちはみんなお金がなかった。 みんなさまざまに工夫をしていたわけですが、それは奇妙な、一概には貧しいとは決めつけられない生き方をしていたと思う。 たとえば、音楽家連中は金がなくても自分の分身たる楽器は一流。演奏技術も一流への上り坂途中。音楽の師匠が高齢で自由が利かなくなっていたりする場合、洗濯や買い物を替わりにやったりしていた。...
View Article双輪の七賢人
昔の『竹林の七賢人』の墨絵で、竹藪などに何人か集まっている絵がありますが、何を話しているのか? 間違っても自転車の部品の話とか、ニューモデルの話とか、人のうわさ話とかではない(爆)。 花鳥風月、詩歌、水墨、哲学、世相、などもろもろでしょう。 ここが難しいところでして、人間も半世紀を過ぎると、「何を軸に集まり、どう云う話をするか?」がものすごく重要になって来る。...
View Article音の宝箱
ボルトとワッシャーを買いに出かけ、帰りがけに珈琲を一杯と店に立ち寄ったところ、「ちょうど良かった、いま古いレコードを鳴らすところなんですよ」と引き留められた。 ビクターの小型の蓄音機とSPレコードを抱えて、老紳士が入ってきました。 なんでもお客の一人が「聴いてみたい」というので、混んでいない時間を見計らってかけてみるというのです。...
View Articleやっつけオリンピック?
なんでもニュースによると今度は、新国立競技場に聖火台が付けられない可能性があるという。 屋根が木製なので高いところに付けると燃え移るおそれがあるということ。ナンタルチア。 まあ、ラグビー場には聖火台いらないですから。...
View Articleコッタ―ピンの抜き方
「レストア」なんていうと「エンス―な感じがする」のかもしれませんが、自転車の世界ではかなり寒い感じがします。 古い車両のひとつの難関はコッタ―ピンの処理。古いものをどうやって抜くか。 昨日やってきた車両は、コッタ―ピンのナットがバカになっていて、まったく締まらないものを、叩いてナットの上をツブシ、リベットのようにしてあったのであきれた。...
View Article生きているカレンダー
蘭が昨日咲きました。啓蟄と一致したわけで、自然はたいしたものだと思います。 もうひとつ、ここ数か月、天井の片隅に染みのようになって冬眠していたてんとう虫が今日はみなさんお出かけしていた。 日差しがやや強くなってきていて、葉の具合が日が当たりすぎになってきたので、置き場所を『春モード』にしてやらないといけません。 梅の香りもそうですが、この時期の花の香りは繊細・微妙で、ふとした具合で消えてしまう。...
View Articleまがいものはどこに立っているのか?
私はいつもネットをぽや~~~っと見ていて、最近思うことは、日本の文化継承はかなりまずいところへきているのではないか?ということです。 私は人の個性というのは、一部のジャン・ジャック・ルソーかぶれの左巻きの信じるように「野生、天然でOK」とは考えない。同様に一部の右巻きが考えるように「ゼノファビア」(外国嫌い)にふるまっていればおのずと花開くほど単純なものだとは私は思わない。...
View Article仙人にあこがれて
今日ぐらいの雨だと、ひのたまはちおうじのあたりは南画のように山々が煙って、なかなか味わい深い。 昔だったら丘のてっぺんの林の中に草庵を建てて仙人生活が出来たでしょう。 前に住んでいた八王子の家は山のてっぺんにありましたが、そこから北西に80mぐらいの斜面にお堂がありました。ちょっと近づけない他人の家の庭の先にあったのですが、屋根の上に擬宝珠がついていたのでお堂であることがわかりました。...
View Article老名人の遅く見える速さ
私は父が亡くなった年齢を超えましたが、何とも不思議な感じがする。父のすぐ下の叔父の倒れた年も超えた。 まわりの友人たちを見ると、40代ですでにあちこち具合が悪かったり、すでに世を去った人もいる。 スポーツの分野で日本のトップを取った友人で、関節から内臓からあちこち40代で悪くなっている人もいる。...
View Article凍れたい焼き君
忙しいばかりでひいきの和菓子屋へ行く間もなく、ついに鋳鉄の鯛焼きの型を買ってしまいました(笑)。 密かな計画があり、以前にアップしたぜんざいを作った要領で小豆を炊き、作った餡子を鯛焼き一個分づつにわけて冷凍する、そして、食べる時、溶いた薄力粉と重曹と卵を入れたもので皮を焼き、なかに半冷凍の餡子を入れて、鯛焼きを焼く、、、。いつも焼きたて、、。こういう計画なのです。...
View Article崩れる人工物の味
水仙が咲いていました。後ろの壁がだんだんと崩れてきていて、抽象画か陶器の風景のようだと思った。 このところあまりに整ったものの中ではどうも居心地が悪い。 この背景がアルミだったり、まったく画用紙のように真新しい白ペンキだったら味わいが消えると思う。 人が作った「はからいの部分」が壊れ、崩れ、自然へ帰ってゆくところに見飽きない部分が出来る気がする。...
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