野坂昭如氏逝去
私の若いころには、他の人はどうだかわかりませんが、「お手本のようなおとなの型」がいくつかあった気がする。 「歳とったらどういうおとなを目指すか?」 「いつかは蔵雲」に代表される山村聡のような中年のパターンがあった時代に、異色の存在として野坂氏は登場した。私の場合「斜に構えた変わったおじさん」というのが第一印象だった。...
View Article仙女の食事
数日前、夜デパートでバッタリ友人に会った。謎の人でまったく年齢の見当が付かない。私もあえて訊かない。 たぶん60歳を超えている。そうでないと計算が合わない。ところが肌のきめもシワも見えない10mぐらい離れたところから見ると、思わず振り返りたくなるくらいの30歳ぐらいの美人に見える。...
View Article昔があって今がある
いまから10年以上前ですが、カンパのことをまとめていた時に、「もはや、ヌーヴォ・レコードの時代のことを知っている人はうちの社にはひとりもいない。このようなかたちでまとめてくれたことに大変感謝している」と言われた。 これはブルックスとて同じで、昔のやり方と今のものはずいぶん違っている。今年のカタログを観ていてそう思った。...
View Article一年の地図
どうしたわけか、今年のクリスマス商戦はあまり激しくない印象を受ける。『そういう動きを起こす余裕もないほどみんな詰まってきている』ということなのだろうと思う。 駅前の店をのぞいてみても、忘年会の数はめっきり少ない。そのかわり、ある程度以上の規模の会社の折り込みチラシは増えた。 いまの若い人たちには想像もできないでしょうが、昔は7月に『巴里祭』などというのまでやっていた。...
View Articleトータルなもの
いままでに乗った自転車の数は6000台できかないと思いますが、いろいろと考えるところがあります。 英国、フランスに年に2回自転車関係の友人・知人を20人ほど訪ね、そこで10台~20台の車両の試し乗りをしていれば、年間200台~400台乗っていたことになる。それを15年以上やっていたから、ひょっとしたら万の桁にとどいていたのかもしれない。...
View Article旅の鞄
ここ20年ばかりでアルミやABS樹脂、カーボンファイバーなどのスーツケースの大きいものを電車などの中で持っている外国へ行く人、外国から帰ってくる人をよく見るようになりました。逆に私はここ20年ばかりは空港からの往復はショルダーバッグだけ。 それに対して欧米の人は巨大なリュックを背負っていいる人がけっこういる。日本人にバッグ組は少ない。この文化的な差は大きいと思います。...
View Article僕の伯父さん VS モダン父さん
ジャック・タチの映画『僕の伯父さん』は私は20世紀の映画の最高傑作のひとつだと思っていますが、いまだに「知る人ぞ知る」の映画で、一般にはあまり観られていない気がする。...
View Articleマイクとボブの夢
ずいぶん前、マイク・バロウズとボブ・ディクソンがリカンベントで都市内の荷物輸送をする自転車の制作をやっていた。 彼らはそれをパワーアシスト付きでやることを考えていて、そのアシスト・ユニットの良いものの安定供給で苦しんでいた。またアシストを付けると内装ハブが壊れるのも問題だった。 あの2人は、もう15年ほど前に、「環境的に考えて、都市の交通システムはそういう方向へ行くべきだ」と損得抜きでやっていた。...
View Article人はみな、、
このところ自分の親の高齢なこともあり、けっこう世の中の高齢者の生活が目に入る。 作家の山田風太郎だったかが、武者小路実篤の最晩年の文章を引っ張り出して、壊れたレコードのように同じところを繰り返し書いていることをあげつらい、長生きはしたくないと書いていた。 ある自転車店へ部品をわけてもらいに行ったところ、『妖怪のように長生きはしたくない』という話になった。その人、音楽好きだったので、...
View Articleアップハンドルを甘く考えるな
昨日、休日出勤の代休で休みだった方がお昼の食事を一緒にとやってきた。 「うちも土日もなく、朝5時半起きでやっていて、勤労意欲がわかなくなってきているから、水曜日ぐらいは普通の自転車屋のように半ドンにするかな。」 とお昼を一緒に食べた。...
View Article晩秋色
どーも、ここ2~3週間気力が落ちています。ものの制作というのは「バケツA」から「バケツB」に水を移すような、機械的な作業ではないので、この気力落ちはなんともいかんともしがたい。 ティータイムに甘いものなど。脳はシュガー以外では働きません。これは医学的に本当の話。 ケーキにも秋の色が反映されている。『ナトキン色』というのが良い名前かもしれない(笑)。 ナトキンでピンと来たらそうとうな英国通です。...
View Articleじわじわ来るカッコよさ
マダム・ダルオーだったと思いますが、『身なりの良い紳士は、英国かイタリアにかぎる』と言っていた。マダム・ダルオーはアメリカの大統領の服飾アドヴァイザーなどもやっていた(大統領夫人のアドヴァイザーだったか??)。...
View Article重々用心めされよ
ネットでニュースを見ていたら、福島のゲンパツの井戸の汚染値がまたしても記録更新しているらしい。去年の12月に比べて4000倍。まったく落ち着いてすらいない雰囲気。...
View Article罪作りなMOOK
書店で古い自転車のレストア本が出ているのを発見。ロードはふるわないし、新製品もこれといった話題のものがないので、『即物主義』でゆこうとすると、そういうところへ行かざるおえないのでしょう。 中にずいぶん昔、私が直したラッジウィットワースとおぼしき車両が載っていた。 『10年ほど前に塗り替えて、、』と書いてありましたが、私の記憶によれば、私のところに持ち込まれたのは1983年のこと。...
View Articleみなさんみな同じところへ
トニーは古い仲間でして、長らくアレックスの公式の記録者でした。青本、赤本というある種の人たちの『聖典』の著者として名高い。 彼とは定期的に連絡を取っているのですが、彼が今なにをやっているか昨晩聞いて驚いた。何と、ハンバーのロードスターを直している(笑)。 「だいたいあがったんだが、もっとハンドルを高くしようと思っている。」 「Et tu, Tony !」(「トニー、お前もか!」)爆。...
View Articleクリスマスの秒読み
この時期、クリスマスカードのやりとりが欧米ではありますが、原則、クリスマスカードは基督教徒の間でやりとりするもの。違う宗教の人のところへはSeason's Greetingsとする。 メールでクリスマス・グリーティングがくると私はけっこうしらける。 私が一時期住んでいたアンナの家は、英国のListed...
View Article日曜日には
世界的なことなのかもしれませんが、「人々の耳に何か変化が起こっている」気がする。たぶんイヤフォーンのせいなのか、携帯電話のせいなのか、あるいは『自分で歌うことがなくなった』せいなのか。よくわからない。 ここ10年ぐらいでしょうか、私には若い相撲の行司の呼び出しの音程とふしまわしが音痴に聞こえて仕方がない。「昔はそう言う音程でもふしまわしでもなかったよ」と言う気がする。...
View Article自由遊民の学生
私の青年時代、だいたい一学年に4人とか5人とかガリ版刷りで詩集だの雑文集を出しているのがいた。 私もそういう雑誌だの小文集を高校一年の時から出していた。「ライバル誌」は校内に6誌ほどあったのを覚えている。...
View Article