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Channel: 英国式自転車生活
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罪作りなMOOK

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書店で古い自転車のレストア本が出ているのを発見。ロードはふるわないし、新製品もこれといった話題のものがないので、『即物主義』でゆこうとすると、そういうところへ行かざるおえないのでしょう。

中にずいぶん昔、私が直したラッジウィットワースとおぼしき車両が載っていた。

『10年ほど前に塗り替えて、、』と書いてありましたが、私の記憶によれば、私のところに持ち込まれたのは1983年のこと。

半分泥に埋まっていたようなコンディションで、ハブは開けてみたらベアリングは朝顔の種のようになっていたので、ホイールはすべて国産で組み直した。チェンは化石のように固まっていた。

レストア代金は芯だしをして、塗装をやり直し、ホイールを作り、赤で線引きまでして1万円だった記憶がある。まだほかにも何十台もあるそっちも、と言われ、もうこれだけで他のはやらない、とお断りした。メッキはオーナーがやり直したが、メッキはイオン交換なので、再メッキをすると金属中の炭素が溶液中の水素と反応して、炭素が抜けてしまって強度が15%ぐらい落ちることが知られている。事実、ブレーキはかなり柔らくなっていた。

『そんな価格でよくやりましたね』とよく言われましたが、将来的にうちの28号やバルケッタも『そんな価格でよくやりましたね』と言われるだろうと考えている。

中に出ている車両の少なからぬ数の英国車両が、有名な『ボリヤ男爵』から出ているものだった。彼は南アフリカから英国へ移った人種差別主義者で、彼の自転車倉庫には黒人を馬鹿にする用語『カファー』と書かれた、黒人のこどもが自転車に乗ってライオンに喰われようとしているポスターが貼ってあった。私も彼から、眼鏡をかけ出っ歯で旧日本陸軍の恰好をした男がビジネスで揉み手をしている絵葉書を彼から受け取ったりしている。もう骨のズイからRACISTの不愉快な人物。縁を切った。

彼はそうした言動から、英国のサイクリング・プラス誌の元編集長から絶交されている。

ここ1~2年、英国のEbayの自転車部品のところに『May not ship to Japan』と書いてあるのがかなりある。みっともないなと思う。かつて、小林さんがブガッティの権威ロナルド・バーカーから「日本へブガッティが行きすぎている」と嫌味を言われたと言っていた。彼自身持っていたし、かなり滅入っただろうと推察する。

まあ、自転車の方でもそういう具合になってきたんでしょう。やれやれです。

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