ツイードランへの道
「ツイードラン」なるもののことを最初に聞いたのは、銀座のはずれにある某ホテルの眺めのよいバーででした。サドルでおなじみの会社のアンドレアからでした。 「面白いものになる、期待していてくれ。」 彼は試作品のメッセンジャーバッグを持ち歩き、なかにはパソコンとパイプのセットを入れていました。イタリア人ですが、きわめて英国的な嗜好のひとで、彼のパイプを見て、 「サビネリか?」 と私が聞くと、二ヤッとして、...
View Articleアイデンティティ問題
これは自転車の英国派、フランス派、イタリア派、すべてに言えると思うのですが、「そればかりにのめりこむ『必然性』はなに?」というところで、私はいつも立ち止まらざるおえないのです。 イタリア車は結局、古いところでは「カンパニョーロ、マジストロー二、TTT,アンブロシオ、チネリ」のレーサー部品に行き着く。「イタリア車のキャンピング車用部品、などというのは、ステムでもハンドルでもブレーキでも存在しません。...
View Article危機感のない顔と見えない被害
被害には「眼に見える被害」と「眼に見えない被害」がありますが、どうも、「眼に見えない部分」は意図的に触れられないのが今の風潮のようです。 昨日は夜9時に都内で仕事終了。どこかへ向かう気も起こらず、表参道で「ギネスを夕食代わり」に。東北の友人に電話。話のなかで、いまだにJRもあちこち分断されたままだったり、瓦礫の撤去もいまだに遅々としてすすまず。 電話で話していたことは、...
View Article伝統は時代によって変装する
その昔読んだ本に、「芸術家は自家用車で移動するが、観客はバスで移動する」という文章をみつけて、おおいに納得したことがあります(雄鶏とアルルカン)。 残念なことに、その「タイムラグ」によって、常に賞味期限が過ぎたころにそのものが認められるようになるのが、世の中の常のようです。 すでに「バッジだけ」「あるいはシンボルカラーだけ」になっても、「かつてのようだ」と思われてブームが続くことがある。...
View Article1977年からのメッセージ
いま、極端に忙しいので、細かいことは書けませんが、昨日、探し物の最中に1977年の新聞のスクラップブックが出てきました。 現代の人にこれは見せて、意見を問いたいものです。その年は名指揮者の来日ラッシュでした。...
View Article手袋をする人
忙しくなってくると、私の手はズタズタになってきます。少しづつマイペースでやっていられれば、そんなことはないのですが、自分のペースでできない時もある。 過酷な作業で爪は割れる、剥がれる、そこにひびができる。中学生時代はそれの繰り返しで、爪は貝殻のようになり、ネジが回せるほどでしたが、手を使っていても加齢と共に爪は薄くなるようです。...
View Article一日一食
昨日は朝からはたらきづめで、お茶も珈琲もなし。手伝ってくれていた仲間と、夕方5時にひとくぎりつけて、一日一食でなじみの中華で。 あまりの空腹で、ブロガー魂も消え、「あ、あ、あ、」という間に消えて行き、写真を撮る暇もなし。 鉄板餃子と、ピータン、そして写真のような、北京ダックのチンジャオロース・ヴァージョンという感じのもの。そして鳥料理に、あっさりスープ。すべて「美味~い」。...
View Articleスクラップ・ブック
押入れの奥からスクラップ・ブックを発見しました。もう20年以上見ていませんでした。週末ですので秘蔵のウイスキーなぞ飲みつつ、パラパラとめくっておりました。1977年のスクラップ。 今からクロノロジカルに眺めてみると、人の一生はつくづくわからない。...
View Articleツイード・ランへの道2
前のページでも書きましたが、ツイードランというのは、もともと古い歴史的車輌を、ピリオド・コスチュームで乗って動態保存する走行会が英国にあったのを、革サドルを売るためのプロモーションとして、アンドレアらが仕掛けたものです。...
View Articleスクラップブック2
むか~~しの自転車関係のスクラップも出てきまして、いろいろ思うところもありました。蓼科のヴィーナスラインの自転車の通行料が15円というのも時代を感じさせます。そういえば、笹子のトンネルも抜けた覚えがありますが、恐ろしかった。そののち車に引っ掛けられる事故があったそうで、電話をかけると車がやってきて、積んで通行させてくれたりしたものです。...
View Article蘭
毎年花を咲かせる蘭が、今年は4つ花芽を出してきました。あまりいじるといけないだろうと、鉢のへりが割れたのですが、いじらずにそのままプラスチックの鉢にいれて置いておきました。 お寺の境内の植木屋さんから800円で買った、葉っぱが4~5本しかない株でしたが、ずいぶん立派に育ってくれました。 植物が育つのを見るのはなんとも楽しいものです。
View Article風があるので模様ながめ
ねこさまが深窓の奥から通りを眺めていました。 カメラを出す前は、両手を窓枠にかけていたのですが、撮影準備ができた時は、奥に手を入れてしまいました。 「風があるので今日は出かけません」という感じでしょうか。
View Article寓話、ある島の未来図
その昔、交易でたいそう栄えた国がありました。その国は2つの島からでき、そううちのひとつは円形の島でした。この島のことはプラトンが語っています。その名をアトランテイス。 その島の円形のほうの島ではある時、地鳴りと地震がたえまなく襲い、ある人たちは島を脱出し、また別の人たちは一時のこととして、島にとどまりました。...
View Articleナイトキャップ
今ぐらいの時間(深夜1時~2時)は、「寝酒と読書」の時間なのですが、場合によっては書類や図面仕事。しかし、歳とともに、夜は図面などが見づらくなりました。 ですので、ほとんどの場合、図面のほうは明け方にして、深夜は20Wのスタンドの電気で1時間ばかり本を読んで、寝酒、電気を消して、そのまま深い眠りに落ちる、、、パターンです。...
View Articleフィルのことなど
もういまから25年ほど前のことになりますが、ケンブリッジに引退したフォーミュラ・レーシング・カーのメカニックが住んでいました。なぜか自転車屋をやっていて、その店の名前がフォーミュラ1だったのです。 身長は190cmをはるかに越え、腹まわりも太く、葉巻をいつも吸っていました。...
View Article場所のスピリット
英語の辞書でSpiritをひくと、じつにさまざまな意味がでてきます。英国でたまに耳にするのは「場所のSpirit」という一言。 英国では幽霊が出る家は、不動産屋でおばけマークが付き、高値で取引されたりするだけあって、英国人は「場所の力」にも敏感に反応します。 そこへゆくとなんだかやる気が出てくる場所というのがあったりする。一方で、そこへゆくとなんだか気が滅入るところもあります。...
View Article見切り千両
今の家と旧宅を行ったり来たりするのはずいぶんエネルギーを取られ、また万が一の地震のさいには、二箇所に注意が分散されるので、ひとまとめにすぐ近くの倉庫に材料も工具も移し終えました。 祖父母のもの、亡父のものなどが大量にあるので、なかなかたいへんです。...
View Article自転車を日常に使う意味
日曜日は東北の被災地のほうから友人がやってきまして、2年ぶりに日野多摩地区を二人で自転車で乗って歩いていました。 喫茶店に入って雑談、また走って、また友人のお店に座り込んでまた雑談。2年間の、電話とメールだけではおぎなえきれない部分のキャッチアップ。...
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