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Channel: 英国式自転車生活
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スクラップブック2

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むか~~しの自転車関係のスクラップも出てきまして、いろいろ思うところもありました。蓼科のヴィーナスラインの自転車の通行料が15円というのも時代を感じさせます。そういえば、笹子のトンネルも抜けた覚えがありますが、恐ろしかった。そののち車に引っ掛けられる事故があったそうで、電話をかけると車がやってきて、積んで通行させてくれたりしたものです。

思えば、自分はその最初の頃からフランク・パターソンにあこがれていたようで、最初にサドルバッグを手に入れた時のあのうれしさ、あの革のベルトとビニールのにおい、などまざまざといまだに蘇ります。

今ではあの「入手した感動」を得られる現代の製品はあまりありません。

自分はなんとか、自分の作るものに、そういう「家にやってきたときにときめきがあるもの」をつくりたい。

その「ぱちもん」のパターソン・モデルから「ジャック・ラウッターワーサー本人に会い、その本物のハンドルバーを手に入れるまで」、実に長い道のりでした。

しかし、自転車というのは、じつに枝葉が多く、一生の間、あきずに続けられるものだと言う思いを深くします。私がはじめてMTBに乗った頃は、まだ「MTBと呼ぶか?ATBと呼ぶか?」で論争をしていた頃でした。深山のなかに分け入り、岩清水を汲んで沸かしてお茶を入れるなんていうのも実にいいものでした。いまや原発事故のあとで、奥多摩などでもかなりセシウム値が高いので、まあ、ずいぶん注意をしないといけない時代のようですが。

ボール盤がなくて、ハンドドリルでベルに肉抜き穴をあけたり、中学時代からさして進歩していないのかもしれません。

驚くほど、自転車は安くなり、情報も氾濫して、果たして豊かな趣味になったのか?というと、逆に感動も少なく、万事やりにくい時代になったようにも思えます。

戦前の日本のサイクリングの草分けの菅沼達太郎さんなどは、「フジのフェザー号に乗り、コンストリクターのハンドルグリップとサイクロの3段変速器が自慢」と言う時代でした。

3段変速で150km以上をサイクリングしています。

しかし、彼の描いたスケッチはなんとも味があり、彼の服装も実に洗練されていました。

今のように、なんでも金で買え、自転車部品などの細かい細部に入ってゆくのが「趣味」というのは、ある意味、きわめて唯物的で不幸な時代なのかもしれない、とも思えます。

左から3枚目は杖突峠。中学生時代に、蓼科まで東京から1日で走り一泊。2日目に杖突峠を越え、などとやっていましたが、今の交通量では、一日で蓼科まで乗ってゆくなどというのは、正直いやなことです(笑)。今は「たしなむ」程度がいいな、と思ったりします。

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