先週のことなど。
まあ、オールドパーツで組むというのは、じつに多くの問題をクリアーしないといけません。
古いカンパのシャフトが決定的に不足していることは書きましたが、実際のところ、ほとんど同じ外観であっても、段数が7、8、9、10、11段と増えるにしたがって、シャフトも変わってきています。
たとえばの話、3段変速のフリーは50年間作り続けられました。4段フリーは40年、5段フリーは50年以上。現在も5段フリーは作られているので60年でまだ進行中です。
6段もまだある。一方で7段フリーは?8段は?9段は?10段は?となると私はどうも懐疑的なのです。
変速器の場合、レバーのほうの規格も変速器のほうの規格も各社違うので、インデックス時代のコンポの数十年後の将来的な修理や修復は想像を絶するほど困難になる気がします。
たとえば、マイヤールの7段時代のヘリコマチックのフリーのスペアなどは探すのはほぼ不可能でしょう。当然ギアの歯の大きさも選べない。
先週末、「やっとチェンラインがちゃんとでた」と思ったのもつかの間、シャフトのガタに気がついて、ガタをとめようと思って、ハタと気がついた。ネジの締め具合とガタの留まりかたが、知っているカンパの手触りではない(スピンドルもワンもカンパです)。「ああ、ワンとシャフトとベアリングの接触角度を変えているんだ」とピンと着ました。「振出しにもどる」です。
やっと古い角テーパーのBBを見つけたまではいいのですが、今度はクランクの「深さ」が違うのに気が付きました。そのBBはCレコード時代のクランクと組み合わせないといけない。
フリーはレジナの5段でゆくつもりでしたが、ハブのコーンとロックナットの関係で、6段までしかフリー位置を動かせないのもわかった。そこで6段フリーを入れる。これで納得の行くところまで合わせた。
現実のところ、現行の台湾・中国製の日本ブランドのハブでは、フリーの位置がまったく動かせないものも少なくありません。クランクのほうがはるかに外へ出るので、そういうものではロー側の変速がうまくゆかなくなる。
去年の年末、相談に見えられた方が、組み付けまで超有名どころのオーダー車メーカーでやってもらったと言う話を聞いたのですが、思ったほど乗り良くないのにくわえて、変速の不具合がいかんともしがたく、乗っていられないので処分を決めた、というお話でした。
「これはどうです?」
と私の乗っていった車輌に乗ってもらったのですが、
「これは快調ですね。」
との言。話の具合からして、チェンラインがまったくでていないのだと思います。まあ、調整不可能なハブを売る方にも責任があると思うのですが、多くの人がそういうものをちゃんとやる気力が失せるほど、難しい時代になっていると言えるでしょう。
圧入されたユニットベアリングをシャフト上でプーラーを使って移動させ、場合によってはシャフトやロックナットを新規に作って焼入れして、そんなことはいくら工作機械が扱えるショップでも出来るはずがない。
だからそのまま付けざるおえないのが現実だと思います。
最近有名になったハブで、回転抵抗が極端に少ないものを作ったところがあります。
その価格がハブ前後で60万円以上するという。自転車の車輪の中心部分のハブだけです。私ならこう考える。自転車の全走行抵抗のほとんどは空気抵抗とタイヤのころがり抵抗です。慣性走行中と下りではフリーの内部抵抗の影響のほうがハブの回転抵抗より大きい。
私なら60万円回転系にお金をかけていいなら、リムをまず槍や和弓を作っている職人に頼んで、細い材料をうるしで固めた木製リムを作ってもらう、そして「はぜない」ように外側にケブラーを巻く。かくして振動減衰性は劇的に向上してころがり抵抗はものすごく減る。そしてフリーの内部の爪などを放電加工機で精密に作り直し、ベアリングをセラミックに入れ替える。そして、出来れば、ハブは、デイスクブレーキが付くものを挽いてもらって、ベアリングサイズをフロント4分の一、リアを16分の5にする。理論は省略しますが、ハブのベアリングサイズを大きくすると、どんなひとでも、はっきりと「とまらないくらい回転がいい」のが体感できます。実際、そういうハブは過去に存在しました。私は使っていたことがあるので。何も言わないで人に乗せるとみんなビックリしました。
60万円を越えるハブというのは、気概は尊いが、私にはコストに対するパフォーマンスとしての対費用効果としては率があまりに悪いと思う。ハブの内部抵抗は自転車の全走行抵抗の3%あるかないかだと言われています。そこを向上させても効果はきわめて小さい。
まあ、そういうことはいくらでも頭の中にはあるのですが、残念ながら、自転車を作り、古部品を探し、自転車を組み、自転車を梱包し、、、寝酒を飲みつつ、寝る前はブログで暴れる毎日です(笑)。
まあ、オールドパーツで組むというのは、じつに多くの問題をクリアーしないといけません。
古いカンパのシャフトが決定的に不足していることは書きましたが、実際のところ、ほとんど同じ外観であっても、段数が7、8、9、10、11段と増えるにしたがって、シャフトも変わってきています。
たとえばの話、3段変速のフリーは50年間作り続けられました。4段フリーは40年、5段フリーは50年以上。現在も5段フリーは作られているので60年でまだ進行中です。
6段もまだある。一方で7段フリーは?8段は?9段は?10段は?となると私はどうも懐疑的なのです。
変速器の場合、レバーのほうの規格も変速器のほうの規格も各社違うので、インデックス時代のコンポの数十年後の将来的な修理や修復は想像を絶するほど困難になる気がします。
たとえば、マイヤールの7段時代のヘリコマチックのフリーのスペアなどは探すのはほぼ不可能でしょう。当然ギアの歯の大きさも選べない。
先週末、「やっとチェンラインがちゃんとでた」と思ったのもつかの間、シャフトのガタに気がついて、ガタをとめようと思って、ハタと気がついた。ネジの締め具合とガタの留まりかたが、知っているカンパの手触りではない(スピンドルもワンもカンパです)。「ああ、ワンとシャフトとベアリングの接触角度を変えているんだ」とピンと着ました。「振出しにもどる」です。
やっと古い角テーパーのBBを見つけたまではいいのですが、今度はクランクの「深さ」が違うのに気が付きました。そのBBはCレコード時代のクランクと組み合わせないといけない。
フリーはレジナの5段でゆくつもりでしたが、ハブのコーンとロックナットの関係で、6段までしかフリー位置を動かせないのもわかった。そこで6段フリーを入れる。これで納得の行くところまで合わせた。
現実のところ、現行の台湾・中国製の日本ブランドのハブでは、フリーの位置がまったく動かせないものも少なくありません。クランクのほうがはるかに外へ出るので、そういうものではロー側の変速がうまくゆかなくなる。
去年の年末、相談に見えられた方が、組み付けまで超有名どころのオーダー車メーカーでやってもらったと言う話を聞いたのですが、思ったほど乗り良くないのにくわえて、変速の不具合がいかんともしがたく、乗っていられないので処分を決めた、というお話でした。
「これはどうです?」
と私の乗っていった車輌に乗ってもらったのですが、
「これは快調ですね。」
との言。話の具合からして、チェンラインがまったくでていないのだと思います。まあ、調整不可能なハブを売る方にも責任があると思うのですが、多くの人がそういうものをちゃんとやる気力が失せるほど、難しい時代になっていると言えるでしょう。
圧入されたユニットベアリングをシャフト上でプーラーを使って移動させ、場合によってはシャフトやロックナットを新規に作って焼入れして、そんなことはいくら工作機械が扱えるショップでも出来るはずがない。
だからそのまま付けざるおえないのが現実だと思います。
最近有名になったハブで、回転抵抗が極端に少ないものを作ったところがあります。
その価格がハブ前後で60万円以上するという。自転車の車輪の中心部分のハブだけです。私ならこう考える。自転車の全走行抵抗のほとんどは空気抵抗とタイヤのころがり抵抗です。慣性走行中と下りではフリーの内部抵抗の影響のほうがハブの回転抵抗より大きい。
私なら60万円回転系にお金をかけていいなら、リムをまず槍や和弓を作っている職人に頼んで、細い材料をうるしで固めた木製リムを作ってもらう、そして「はぜない」ように外側にケブラーを巻く。かくして振動減衰性は劇的に向上してころがり抵抗はものすごく減る。そしてフリーの内部の爪などを放電加工機で精密に作り直し、ベアリングをセラミックに入れ替える。そして、出来れば、ハブは、デイスクブレーキが付くものを挽いてもらって、ベアリングサイズをフロント4分の一、リアを16分の5にする。理論は省略しますが、ハブのベアリングサイズを大きくすると、どんなひとでも、はっきりと「とまらないくらい回転がいい」のが体感できます。実際、そういうハブは過去に存在しました。私は使っていたことがあるので。何も言わないで人に乗せるとみんなビックリしました。
60万円を越えるハブというのは、気概は尊いが、私にはコストに対するパフォーマンスとしての対費用効果としては率があまりに悪いと思う。ハブの内部抵抗は自転車の全走行抵抗の3%あるかないかだと言われています。そこを向上させても効果はきわめて小さい。
まあ、そういうことはいくらでも頭の中にはあるのですが、残念ながら、自転車を作り、古部品を探し、自転車を組み、自転車を梱包し、、、寝酒を飲みつつ、寝る前はブログで暴れる毎日です(笑)。