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Channel: 英国式自転車生活
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思いやりを育てる

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10日ほど前のこと、多摩川近くの歩道橋スロープで男の人が倒れていました。意識はあるようで、目はあいて、動いていたのですが、寄り掛かって、手には白いコンビニか何かの袋を持っていた。私は『どうしたのかな?』と思いつつ通り過ぎ、大丈夫ですか?と声をかけるとうなづいていた。気になったのは額から眉間にかけて出血していたことで、そのままに座っていると、今度はまた飛ばしてきた自転車などにはねられたらたいへんだと、一応110番した。

『男の人が倒れている。引っ掛けられた事故かケンカかわからないが、額から出血して座り込んでいる』と通報した。額から出血しているわけですから、頭の中の重要な血管でも損傷を受けていたら、命にかかわると思った。

自転車で移動していると、年に3~4回そういう場面に遭遇する。携帯電話から110番すると、表示に赤いポッチが出て、履歴を消さないと消えない。いつも、そのまま残すべきか、消すべきか悩む。

いかにも現代だなとおもうのは、ジョギングの人や多くの人が脇を通って行くのに、誰もこえをかけないこと。

ジョギングをして体脂肪が落ちてカッコ良くなっても、他人への同情心がない嫌われ者になったらしょうがないんじゃないか?と考えたりもする(笑)。やっている最中は音楽を聴いているだけで、思想的、情操的な分野はお留守ですから。

月曜日とか月末には、一応、ひととおりの雑誌に目を通します。しかし、その中にこころの問題を扱った記事はほとんどない。自転車だったら、いかに速く走るか?他の人を出し抜くか?という技術に終始している。

ほかのさまざまな雑誌をパラパラみてみると、恋愛も技術、歳をとってからの資産の扱い方も技術、名医のリストだったり。まあ、名医のリストなどというのは、『すこしでも助かる率が高い、特売情報に近い』もののようにみえる。


一応、MAN-画のたぐいも世の中を知るうえでパラパラ見てみる。暴力的なものと悪トーの主人公のものがすごく多い。昭和30~40年代にああいうものは絶無だった。手塚治虫の『ランプ』とか横山光輝の『村雨健司』ぐらいがワルで、最後には良い方に加勢する。いまは、とんでもない悪トーが出てくる。

何ら、道徳的、宗教的、思想的なモラルの歯止めがなく、売り上げ至上主義で、世の中に毒を流しているように見えて仕方がない。

自分の中にある『磨けば光るもの』を運動で磨くのもありだろう、『趣味の技を磨くのも、自分のなかのよいものを現出させる』。同時に、それと並行して『こころの磨きはどうなのか?』。

どうも、このことは、現代ではそうとう意識的に生きていないと難しいように思われる。

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