世の中さまざまな情報が飛び交っています。
その昔、ギターの世界で、国際コンクールでも勝ち、セゴビアの高弟だったかたと一緒に仕事をしたことがありましたが、その方、テレビで教えたことがありまして、そのあと生徒が信じられないほど激増して、自分の練習もままならず、体調は崩す、心理的にもたいそう苦しくなり、今ではまったくその名前を聞かなくなってしまいました。
私は長年の観察から、「さまざまなメディアに出る頃は、もう坂を下っている場合が多いのではないか?」という気がします。
これは物づくりでもまったく同じだと思います。その名声を獲得した時のペースで仕事が出来なくなるわけですから。100人のお客が1ヶ月に1回納期のことを聞いてきたら、一日4回ほど納期のことやら催促のことやらに対応しているわけで、これは製作者が同じ心理状態で作業することは無理でしょう。
今日も朝5時起きして、涼しいうちに仕事を一区切りして、お昼から1時間半ばかり休憩、今は3時の珈琲休みですが、これはじつは、親方の世田谷時代のペースより、朝の開始時間が数時間はやい。親方はその後5時ぐらいまでやって、あとは来客の相手をしたり、修正などをして、7時にはだいたいあがっていました。それでも納期は遅れていましたが、かつて12チャンネルの番組に出たとき、彼の手際と製作は、他の3人よりずばぬけて早かったのは、司会者も指摘していました。
珈琲休み終了後は、また部品の引き取りにゆき、とても炎天下、部品数点をもって訪ねるわけにゆかないので、塗師へ小物部品の発送をコンビニにしにゆき、、、と言う具合。
寝たきりになっていた、数十年のつきあいの写真館の店主がとうとう亡くなられたと電話で知ったので、夜はちょっとそちらへ行き、開いていれば、ひとなみに今日はウナギでも帰りに食べてこようか、という一日です。
アップした写真は、どういうことか?と言いますと。キャリアが付くか付かないかで、エンドの処置が変わってきます。また、さらに言うと、「フレームサイズによってダボの位置は微妙に変わる」のです。シートステーの傾きが、フレームサイズによってまったく変わりますから。キャリアの位置は変わる。それにあわせて泥よけのステイ取り付け位置もにがさないといけません。
さらに言いますと、フレームサイズが小さくなると、リアエンドのチェンステーとシートステーの接合部分のつくる角度が小さくなります。それに合わせて、エンドの開き具合は変えないといけないはずです。
どのくらい気を使ってそのスチールフレームが組み立てられているか、見るために、私はそうしたエンド部分を観察します。4つのフレームチューブのリアエンドのところへの差込角度と、エンドのバックフォークへの突き出し部分のひらき角度が合っていないものは、高級ブランドのフレームでもよく眼にします。
だからそこから壊れるというものではありませんが、視覚的に気になる。また変速器の銘柄によっては、取り付け位置も変わってくるはずです。