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Channel: 英国式自転車生活
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流れはとうに変わっている

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今年もいよいよ大詰めが近づいてきましたが、自転車の流れが決定的に変わった一年だったように思う。

アームストロングの大規模組織的八百長で、評判を落として低迷しているロード界ですが、アームストロングの人気に乗っていたシマノが生き残り、レースで生きていたカンパニョーロとスラムが苦戦しているのは皮肉な話だ。

『やっていたよ。スポンサーもみんな知っていたことだ。だからその点のことは訊かれもしなかった』とインタヴューであっさり自ら認めたアームストロングですが、いまだに日本では彼がクリーンだったと信じている人がいるのが信じられない。しかし、そういうことを言った彼を、スポンサーはその発言撤回しろとかいわないのですかね?

スラムは今年になって内装ハブからの撤退を決めた。余力がなくなって来たのでしょう。ツールなどでもカンパを使うチームはかなり減った。このあたりも、企業収入のちからが重要なファクターですから、金がなくなると、レース用品の開発や強い選手の獲得もむずかしくなる。

英国ではどうかな?と昨晩電話してみた。そうしたら、BBCが、ツールの選手が怪しいパウチを持って歩いているところが目撃されたニュースを報じて、『あれはなんだ?』とまたしても、レース界不信、黒いイメージがたちこめ、ロードレースの評判はどんどん落ちているということ。

日本でも、政治家の方と柔らかペダルだかの出演俳優のかたの、転倒事故後の回復の話は聞こえてこない。

興味深い話は、今年になって英国では郵便局が自転車の使用をやめた。郵便局員の自転車が自動車にやられる事故がひどくなったというのがその理由らしいが、今後は手押し車による徒歩による配達とバンによるものになる。

その影響を受けたのはパシュレーで、郵便配達自転車はパシュレーが独占していた。それが消滅したので、パシュレーは都市部での24インチの乗り捨て自転車に参入した。使わなくなった郵便自転車は整備してアフリカに送られる。

お洒落路線の自転車もよどんでいる。結局、そういう自転車を作ろうとしても部品が存在しない。中台の安物自転車でおしゃれもないだろう。フランスなどのアパレルの自転車でもフランスのビルダーが作っているなどという話は聞かない。

だいたい吉川ブレーキさんもアップハンドル用のアルミのブレーキレバーの製造をやめた。グリップシフト用の左右非対称のものしかやっていない。そうでないものは一気に樹脂製の安物になる。

そのせいか、サドルのメーカーのバッグなども、自転車のバッグとは関係ないフィールドに徐々に移行しようとしている気配が感じられる。

まあ、みんな『ただ一つの方向へ殺到する寡占ビジネス、マーケットシェア至上主義』だから、こういう事態になったら逃げ場がない。プランBがない時代。

生物や植物の多様性もそうですが、ビジネスの世界でも『大量絶滅』というのは、多様性がなくなった時に起こると私は考えている。

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