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Channel: 英国式自転車生活
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顔が変わる

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自分の歳ぐらいになると、自分もまわりもずいぶん顔が変わってきています。

「良い顔」になった人と「悪い顔」になったひとが、けっこう明暗分かれている。また、同じような精神生活を送ってきた人は『似たタイプの顔』になるようだ。

日曜日に友人が墓参のおみやげを持ってきてくれて、珈琲を飲んでいたのですが、政治家の顔の話になった。

「最近、よく話題になっているあの都市の議会の『丼』と言われている人、対決してどうなるんですかね。」
「彼は顔がすごく悪いね。」
「いや、僕は名前だけで顔は写真でも見たことがないんですよ。」
「TAKAす院長に『もっと迫力がないと業務に差し支えるんで、なんとか悪人らしい顔に』って直してもらったとしか見えない。」
「アッハッハ。」

Oh, yes. It is good to be bad (爆)。

タイプというのは明らかに存在する。似たような精神生活の人は似たような顔になるし、生まれつきの性格や性質なども顔に出て来る。地域的な「典型的な顔」というのもある。遺伝子近いんでしょう。

いつも行く喫茶店の店主に「新潟に親戚いるでしょう?」といったら「おじいちゃんとおばあちゃんは新潟」だという。その店主にそっくりな人で新潟から来た同級生がいた。どういうわけか、島根あたりにいる人とちょっと似ているが独特の顔の人が新潟にはいる。

いつも買いに行くお菓子売り場の人に、
「つかぬことを訊きますが、御家族は長野の南半分の下から静岡にかけてのひとではありませんか?」
「えっ?!えっ?!そうですけれど、どうしてわかるんですか?」
「お顔と名札の名前で。」
そのタイプの顔は滋賀県ぐらいまで見かけますが、その売り場の人は南信~静岡の雰囲気が濃厚だった。

生まれつきの、いわば『相続した顔』があって、そこに後天的な『人生と精神生活の書き込みが入って来る』と私は考えていますが、そういうような風に人を見る習慣はヨーロッパでの生活でついたと思う。

夏にロンドンとかフィレンツエとかミュンヒェンとかウィーンとか、そういう場所に行って道を尋ねても、ロンドンに英国人が居なかったり、ウィーンにオーストリア人がいなかったり、つかまえて道を尋ねる人が、誰も彼も外国人で困ったことが最初の頃はあった(笑)。

いまではほとんどはずしません。服装からの情報、とくに靴やバッグからの情報を加味するとかなり確実度があがります。

『キンぺー』と『盛り』は国こそ違え、似たところがある。ティツィアーノとルノアールも出身国が違うがよく似ている。

自転車の選手などでも実によく似た顔の人がいる。それどころか町の自転車店の店主でも『あの店の主人の兄弟ではないか?』という他人の空似がある。似たような精神生活は似たような顔になると思う。

そういう風に人の顔を眺めていると、飽きることがない。不思議なもので、顔は顔だけの細部のパーツで独立していない。頭蓋骨が上下に短く額がせまく後ろに傾きが大きい縄文ー原日本人系では、鼻はしっかりしていても、鼻筋は稜線がゆるい。それが鼻筋ピンとギリシャ風だと「いじったな」とすぐわかる。

噛む力の応力分散のバランスも頭蓋骨はやっているわけで、その顎のあたりをいじったものはなんだか人工感が私はする。さらには、顔まわりを華奢に作り、首から下がゴツイのも隣国へ行った時けっこう見た。首とか肩とか、すじ肉をバリバリ、もりもり強い顎の力で噛みまくって出来上がった感じなのに、首から上は『お菓子はスポンジケーキ、固いクッキーは食べませぬ』みたいな細い華奢なほっそり感に出来上がっていた。

モデルの顔で、同じタイプで、ある程度整ってくると見分けがつかなくなったりする(笑)。その昔、モデルの友人が何人か仲間のモデルを連れてきたとき、『頭の中身が無個性で均質なナンバー5~8ぐらいは、印象が薄すぎて、顔と名前が一致しなかったのを覚えている』(爆)。さらに困ったことに、顔が似ている人は声も似ている傾向がある。

「Hi,R&F.どう元気?」
「元気だよ。君はどう?ケリー?」
「私はニ・コ・ラよ。」

顔は個人を識別するものでもあるので、それが『誰かと同じようなタイプになってしまうのは不利な点もある』はずだ。しかも、絵画を見ても、映画を観ても、広告を見ても、流行りの顔は変わる。たぶん5~10年ぐらいの周期で変わっているのではないか?

今日ニュースで、相模原の事件の犯人の顔写真を見た。なんだか刃物を握るとするする刃の先から力が抜けて行くような、そういう恐ろしい感じを表情から受けた。

このごろ、そういう顔の人を見かけることが少なくない。C.W.ニコルさんも、野生動物の場合では警戒しなくてはいけないような、怖い感じの病んだ感じの表情の人が日本に増えた、と言っていたのを思い出す。

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