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「ふきだし」メンタリティ

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マンガの人物からバルーンのようなものが出て、そのなかに喋っているセリフが書いてあるものをフキダシと言いますが、もう、ここ20年ぐらい、私はマンガの流行が人の「連続思考可能時間」を変えるだろうと言ってきました。

「知性がフキダシより長い時間の論理思考に耐えられなくなる日」が近いのかもしれません。

私がミクシイをやめたのも、そのあたりの理由が大きい。

その前兆として、ネットなどの記事でも600字を越えると読まれなくなってくる、という統計があります。800字を越えるともっとむずかしくなる。それは「手持ちのパーツが少ないレゴ」みたいなもので、何としても作れないものがでてくるでしょう。

そういうなかでこのところ耳にするのが「~ていうかァ」という一言。自分は何もいわず、これを自分が最後に言うことで、相手の上に何か付け足して、自分が修正完成させ、相手もやんわり否定するニュアンスがある。どこがどういけないのか、言及も説明もない。この一言を聞くと、「ああ、こいつの知性腐ってんな」と私などは思います。

ここにもツイッターがくっついていますが、ツイッターもそういうメンタリティの増幅をすることが多い気がします。

今朝もちょっと気になったのは、エジプトの憲法改正のニュースです。

ネット時代になってから、「ネットサーフィンで何かを盗んで書く」のが急速に流行り、コピペで「世界にも珍しいはぎ合わせリポートで大学を出てゆく日本システム」のもと、社会に出てもそういう「つぎはぎ剽窃」がまかりとおる。かつてA出版で「R&Fさんが書いているようなことはインターネットで調べても出てこないんですが、どうやって書いているんですか?」と言われてあきれました。

それを検証能力がないアルバイターがまとめたりしている。だからその手の雑誌は読めば読むほど、読者の頭の中にスポンサーの刷り込みと、バグを入れているようなものです。

そのエジプトの憲法改正のニュースをネットで検索すれどもすれども、同じ文章しか出てこない。これはモールトン博士が亡くなった記事でも、「ミニのハイドロラスティック、ラバーコーンのサスペンションの発明で知られ、、、」という紋切り型の孫引き、曾孫引き、やしゃ孫引き、をやっていたのと良く似ています。

憲法内容はどこにどういう問題が含まれているのか、それがエジプト社会のどこにどういう変化を起こす可能性があるのか?それはアラブ産油国ではどういう風にとらえられたのか?同じ大統領制度のもとで、原理主義からいちはやく抜け出たトルコではどう見られているのか?イスラエルとアラブ諸国の戦争でのエジプトの役割は巨大だったわけですが、イスラエルではどう報道されたのか?などはまったくネットニュースには出てきません。

結局、英語で検索をかけて、向こうのニュースで調べました。

中東の石油に依存する日本は、いち早く詳細な分析がでてしかるべきですが、「コピペ」、「さえずり」メンタリティーのもと「紙ふぶきのゴミのような役に立たないフキダシ・コメントの氾濫」で前も見えない。

これは日本もちょっと考えなおしたほうがいい気がします。

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