こういうことも過去一度も日本では活字になったことがありませんが、私はカセット式のボトムブラケットというのはきわめて環境に悪いものだと思っています。世の中がカセット式だけになって、なんらかの具合でその規格が変わったら、はかりしれない数の、億の桁の自転車がスクラップになります。ボトムブラケットがないと自転車は乗れませんから。いま、現実はそういうところに着実に近付いています。
技術的に言うと、カセットのボトムブラケットというのは、使い捨てです。修理などをするショップに「技術はほぼ不要」になります。ただ専門の工具でちからまかせに回して抜いたりねじ込んだりするだけ。調整は不要です。具合が悪くなったらそっくり入れ替える。
はずしたボトムブラケットは、古いものを再生するのはまず無理。ユニットを押さえ込むカップリングでもあれを機械加工で作れとなったら並大抵ではありません。
ここで考えてみないといけないのは、なぜカセットBBがあらわれたのか?
ひとつにはBBそのもののコストダウンですが、カセットなら従来のBBのシャフトのように研磨や焼入れをしなくて済む。カップも同様です。やるところがあってもはるかに少ない手間で作れる。左側のカップがプラスチックのものはすぐ割れる。
ふたつにはそれを組み付ける手間が少なくて済む。調整も不要なので(出来ない)のでショップの人員が素人でもかまわない。
みっつ目はカセット式ならフレームの精度が低くても、クランクシャフトの回転に及ぶ影響が少ない。
よっつ目は回転の具合が従来式よりものすごく固いけれども、ガタは出ない。つまり変速段数が増えて各部のガタがシビアに変速に影響を及ぼすのを避ける。つまり、変速パフォーマンスのために回転抵抗の少なさを犠牲にするという本末転倒が起こっていることになります。
最近では、セラミックなどのベアリングを使った従来型のBBが出てきましたが、やはり価格はものすごく高い。つまり、逆に言うと、セラミックをきっかけに価格を上げた。裏返せばカセット式BBはものすごく作りやすく、安く出来、儲かるということです。うちは親戚がセラミックの先端企業のマネージャーだった関係でセラミックのことはある程度はわかります。
しかし、ここへ来て、左側クランクが割留めしてある、さらにコストダウンしたタイプがマーケットを増やしつつあります。そうすると、これから数年で四角いテーパーのコッタレス・クランクシャフトはさらに減るでしょう。ボトムブラケットの巾68mmは変えないと思いますが、古い車両は一気に乗れなくなる可能性がある。
うちのローズは90年間使用されて、いまだに1日120km乗れる。現時点ですでに博物館に入る資格は充分にあります。こういう車輌はリサイクルする必要すらない、のです。
消費サイクルを拡大して、環境負荷を莫大なものにして、世界一の企業になる、そこから規格を変えて計画的陳腐化でモデルチェンジをして、本来一生ものであるはずの自転車を買い換えさせる需要を喚起し、経済生長を目指す、有限な地球資源と有限なエネルギーの中で、たぶんそういう経済行動は、のちの世から大きな批判にさらされると思います。
いま、かつての国際規格2度の四角テーパーのBBを待っていますが、イタリアのほうは作ってくれる。待ち時間は2ヶ月少々。日本製(台湾?)のほうは「来年」ということだけで納期はでていません。
技術的に言うと、カセットのボトムブラケットというのは、使い捨てです。修理などをするショップに「技術はほぼ不要」になります。ただ専門の工具でちからまかせに回して抜いたりねじ込んだりするだけ。調整は不要です。具合が悪くなったらそっくり入れ替える。
はずしたボトムブラケットは、古いものを再生するのはまず無理。ユニットを押さえ込むカップリングでもあれを機械加工で作れとなったら並大抵ではありません。
ここで考えてみないといけないのは、なぜカセットBBがあらわれたのか?
ひとつにはBBそのもののコストダウンですが、カセットなら従来のBBのシャフトのように研磨や焼入れをしなくて済む。カップも同様です。やるところがあってもはるかに少ない手間で作れる。左側のカップがプラスチックのものはすぐ割れる。
ふたつにはそれを組み付ける手間が少なくて済む。調整も不要なので(出来ない)のでショップの人員が素人でもかまわない。
みっつ目はカセット式ならフレームの精度が低くても、クランクシャフトの回転に及ぶ影響が少ない。
よっつ目は回転の具合が従来式よりものすごく固いけれども、ガタは出ない。つまり変速段数が増えて各部のガタがシビアに変速に影響を及ぼすのを避ける。つまり、変速パフォーマンスのために回転抵抗の少なさを犠牲にするという本末転倒が起こっていることになります。
最近では、セラミックなどのベアリングを使った従来型のBBが出てきましたが、やはり価格はものすごく高い。つまり、逆に言うと、セラミックをきっかけに価格を上げた。裏返せばカセット式BBはものすごく作りやすく、安く出来、儲かるということです。うちは親戚がセラミックの先端企業のマネージャーだった関係でセラミックのことはある程度はわかります。
しかし、ここへ来て、左側クランクが割留めしてある、さらにコストダウンしたタイプがマーケットを増やしつつあります。そうすると、これから数年で四角いテーパーのコッタレス・クランクシャフトはさらに減るでしょう。ボトムブラケットの巾68mmは変えないと思いますが、古い車両は一気に乗れなくなる可能性がある。
うちのローズは90年間使用されて、いまだに1日120km乗れる。現時点ですでに博物館に入る資格は充分にあります。こういう車輌はリサイクルする必要すらない、のです。
消費サイクルを拡大して、環境負荷を莫大なものにして、世界一の企業になる、そこから規格を変えて計画的陳腐化でモデルチェンジをして、本来一生ものであるはずの自転車を買い換えさせる需要を喚起し、経済生長を目指す、有限な地球資源と有限なエネルギーの中で、たぶんそういう経済行動は、のちの世から大きな批判にさらされると思います。
いま、かつての国際規格2度の四角テーパーのBBを待っていますが、イタリアのほうは作ってくれる。待ち時間は2ヶ月少々。日本製(台湾?)のほうは「来年」ということだけで納期はでていません。