Quantcast
Channel: 英国式自転車生活
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3751

身体の声を聞く

$
0
0




自転車のホイールを大量に組んだりしていたことはブログで書きましたが、それでずいぶん頸椎を痛めつけた。ホイールのフレを見る部分は、車輪の3分の1ぐらいの下のところにあり、そこを老眼で首を前へ落として、首の重さをがっしりかけて、目を凝らしていると、首をやられる。パソコンのやりすぎで首を悪くするどころではない。それをやっていたら同じ姿勢で毎日8時間以上、連続でやっていたら具合が悪くなるのは当然なのだ。

逆に言うと、『趣味の自転車が、文化のひとつの趣味のかたちとして継続できるためには、みなが自分の自転車のホイールの振れ取りぐらいは学ぶ必要がある』。


それをショップまかせ、メーカーまかせ、にしてゆくと、『ハブだけ送ってください、リムとスポークは新品に交換します』というような、機械にかけて組み直し、総取り替えの世界になり、気が付けば『ディスク・ブレーキをメインにするので、フレームも買い替えてください』と、本来一生に1~2台のフレームででももつフレームを5~6年で買い替えさせられるようなエコでない世界に知らぬ間に誘導される。

四国や東北の山の中でリム打ちして、パンクしたら、チューブレスで旅先修理できるのか?スポークが破断したら、ニップル回しで切れたスポークの前後を張って、だましだまし店のある町まで帰ってこられるのか?

昔、四国をロードレーサーでお遍路した人のことが、自転車雑誌に出ていたが、何か勘違いしていないか?それは『スタンプラリーを、ロードレーサーで速く回れればよいというものではない』。ブッダガヤへ行くと『歩く瞑想』というのをやっている人たちがいる。つまり釈尊が歩いたであろうあたりを、自分が歩いていることを意識して歩いて『我を消して、深いところの本当の自分と、そこを歩いている今存在している肉体を調和させる』、そういう行法も世の中にはある。

さて、頸椎の違和感は、私の場合、クルマにかつてはねられた時の弱点でもあり、そこにそういう感じがするというのは、身体が発しているシグナルなのだ。それは聞き取って対処しないといけない。それがヨーガ的な対応だ。病気の前にはそうしたシグナルがあるはずで、それを無視していると、ほんとうに病気になる、というのがヨーガ的な見方。私などはいつも時間とノルマに追われているので、それでも我慢するので、それが身体を壊す。

高齢者をベッドから車椅子に移らせたりするのを一日に何回もやっているということは、自分の体重が100kgを超えたのと同じこと。だから介護をやっている人は膝や腰を悪くする。

逆に言うと、自転車に乗って『坂道を爆コギで登る、坂バカ乗りをする』と、どうなるか?そういうシーンでは、だいたい人間は体重の3倍のちからで踏み込める。そうやっているとき、『高剛性のフレーム、高剛性のクランクだったらどうなるか?』

たとえば、固い樫の木の板があったとする。それをチェーンでぶら下げて、1cmでも2cmでもこぶしで殴った時動くのと、しっかり固定されていたのとでは、自分の手に来る反動はまるで違う。1cmでも板が逃げるのであれば、自分の腕へのダメージは減らせる。固定されていたら、自分の指が壊れるだろう。

これは私がいつも言っている『泥の上へ塀から飛び降りるのと、セメントの上へ飛び下りるぐらいの差がある』。高剛性のフレームとクランクに乗るというのは、そういうことだ。

実際に、そういう車両を販売している人で、膝を壊している人やインプレ・ライダーでひざの手術を何度かしている人はけっこういる。

膝に違和感が来たら、フロントのスプロケットを小さくするように私は若手には言う。出来れば、同時に、膝がかなり痛くなってしまったら、しばらく乗らないか、テニス・シューズのような、りきんだ力を吸収する靴で、両面踏みのペダルで乗ることをすすめる。

私は、首の不具合は、ヨーガ的にいうと『頸椎3番』のところがストレスを受けていると判断し、あおむけに寝て、ひじをまげ、息を吸いながらアキレス腱をのばしながら背中を伸ばして行き、脚を少しもちあげる『逆重心』のポーズをする。また、肩の力を完全に抜いて、あごをひいて真っ直ぐに立ち、息を吸いながらゆっくりと右を向き、すこし息を2~3秒留止め、またゆっくり吐いて正面を向く。これを反対側もやって、数回。けっこう楽になる。これはデスクワークの人にもよいはず。


さて、そんなことをやっていたら、『RAKUダ乗り』の人のことを思い出した。あの方、下駄をはき、背中を丸めて前かがみになって歩くのが『進化の方向』とあまのじゃくなことを書いていました。背中を丸めていれば首の重さ(頭は体重の3分の1ぐらいある)を支える首への負担はたいへんなものになる。これは前傾の強いドロップの宿命でもある。しかも首を起こして、前方視界を確保すると、天井画を描くミケランジェロのような姿勢になる。ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂を仕上げた後、終生首の問題に悩まされたのは有名な話だ。

首に負担がこないように背中を丸めて、腰を出してS字カーブにすると、今度は内臓が圧縮される。ヨーガと真逆のことを言っているな、と私は立ち読みで済ませて買いませんでしたが、『こんなことがかつては言われていたが、、」と云う参考にするかと思ってみてみたら、ネットでは大量に売り物があり、100円ぐらいにしか評価されていなかった。しかも、理想とするのがドーピング・アームストロングだったわけで、アームストロングと同じ走りをするには、自分の血液を抜いて温度を下げて保存し、ここぞというときに輸血してヘモグロビンを増やすような危険なことをやって、血液が酸素を運ぶ効率をあげねばなるまい。

RAKUダ乗りのひとはネットでずいぶん悪く言われているが、しかし、その太鼓をたたいていた雑誌も本来は同罪なのではないのか?私は少々彼が気の毒になった。私はどこかの完成車メーカーと懇意にしているわけではないし、そもそもカンパニョーロ派だから、パンターニの騒動があったときはずいぶんがっかりしたが、ドーピング・アームストロングに関しては2000年ぐらいから、一貫してドーピングをしている気配が濃厚だ!と言い続けていた。だいたいガンの治療をしていると、だるくなって、食欲も消えたいへんなのに、どうして旧東ドイツでサイボーグのごとき英才スポーツ教育とトレーニングをこども時代からやっていたウルリッヒなどより強いのか?医学常識に反する、と言っていた。かすかに、それをほのめかしても、校正で書き換えられましたね。


腰が痛かったら、首が痛かったら、膝が痛かったら、その自転車を見直し、自分にあったものを探すべきだ。人や雑誌の説はどうでもよい。自分の身体の声だけがたよりだ。結果はおのずとでる。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3751

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>