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Channel: 英国式自転車生活
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英国の競技車両

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ある方のブログで、チネッリの記事をみて、私がコメントでチネッリと英国自転車の話を書いたのですが、私はチネッリもラッジもそれぞれ10台ぐらい所有して乗ったことがあります。

ラッジはオリンピックでもけっこうメダルをとっています。何よりも、ラッジはリアの車輪をチェンによって駆動して、ハンドルによって前輪で操舵する、2輪車の元祖である『クロコダイル』の発明者を擁護して、ダン・ラッジがその特許を買い取ったので、現代のすべての後輪チェン駆動の自転車の祖なのです。

いわば自転車にとっては『鳥における始祖鳥』のような存在。ラッジ・ウィットワースを知らずして、自転車を語ることなかれ。


実際に乗ってみると、ラッジの軽く前へ出る独特の軽快な加速反応は何とも言えず気持ちが良い。ラッジは特別に変わった断面とスウェージングのラッジ特有のフレームチューブを使っていました。

そして、1905年頃から、『なで肩フォーククラウン』の自転車を製造していた。『コーナリングでふんばり、加速時にはリジッドでありながら、振動減衰性が良い』と書かれていた。じつは、これは半世紀ほどあとのチネッリもほとんど同じセールストークを書いていたのがロン・キッチンのEVERYTHIN CYCLING の中に見えます。

なで肩フォーククラウンも似ている。1960年代のチネッリのピスト車両にはステムのきしみ防止に『ピスタヘッド』というバンドがかまされていますが、これも写真にアップした1928年ごろの黒いラッジのものによく似ています。チネッリのシートステーの集合部分は、英国車そのもの。1947年頃のチネッリはシートの溶接をシートラグのわきに持ってきていて、ラッジ・ウィットワースの1920年代のものとまったく同じだった。

日本では『イタリアン・カット』と言われるラグはじつは英国生まれで、1920年代に『カットアウェー・ラグ』とか『フィッシュ・テール・ラグ』として現れています。

それがカタチを変え、1930年代には、ほぼ現在イタリアンカットの名前で呼ばれているWW2以降のイタリアのものと見分けがつかない形状になっていた。イタリアより英国の方がはるかに先に考案して、生産していたのです。

そのあたりのことは、日本では雑誌に出たことが無いので、ここに書いておきます。左の2枚は1969年の英国のカタログよりチネッリ。

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