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Channel: 英国式自転車生活
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クリスマス・シーズン

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20代後半から30代、40代のかなりの時期、12月は英国かヨーロッパにいた。

クリスマスを英国ですごし、女王陛下の新年のスピーチを聞いてから日本へ戻り、正月は日本で。まさに『一粒で2度美味しい』世界だった。

結果、長年、日本のクリスマス商戦や、うわっつらのクリスマス文化は、ほとんど見ることが無かった。

ここ10年ぐらいで、日本でも徐々に英国のクリスマス・キャロルが聴かれるようになった。いまでも、日本ではアメリカのクリスマス・キャロルが主流だが、かつてのようにアメリカ一辺倒ではない。

同じ曲でも、アメイジング・グレイスがアメリカのものと英国のものでメロディが違うように、クリスマス・キャロルのメロディーも英米で違うものがけっこうある。


祖母の具合が悪かった数年の時期はおとなしく日本にいたが、その時は、クリスマスに帰国できない英米人の東京の住まいに、仲間の英米人とこっそり押し寄せて、その家の前でクリスマス・キャロルをみんなで歌うようなことをやっていた。『食事に出ようぜ!』

毎年言っていることですが、この時期、太陽は低いところへ来る。
『ああっ!太陽が弱っている、落ちるぞ!落ちるぞ!ちからづけてやらないといけない!』
とミトラ教徒やケルト人が表で火をガンガン燃やして、太陽の景気づけをはかった。

クライスト教の教会、過疎リックはこれをこころよく思わず、なんとかして、この異教徒の祭りをやめさせようとしたが、やめさせられず、ついに御ふれを出して、この日をクライストの誕生日ということにした。


ケルトの影響が強い英国では、だから『クリスマスと言えば、丸太をかたどったログ・ケーキと、太陽をかたどったクリスマス・オレンジが正統であった。』

高緯度の英国のこの時期は、もう、午後3時を過ぎると暗い。だから、オヤジは夕刻となるとパブへ行って、音楽無しの人の声のシャワーを浴びて、暖まりにゆく。あの音楽無しの、人の会話の雑踏というのは、日本では聴けない。英国でもここ25年で音楽を鳴らす『海外かぶれ』(病米利香)のパブが増えた。

古式ゆかしい英国パブは『音楽無し』が基本だ。

さて、何年かまえに、丸の内で、この時期、大規模な塑像の飾りつけを見たのだが、まったく私には『正しいヨーロッパに見えなかった』。真似をしているんだけれども、本質的に外している。同じようなことは、クリスマスの日本でのお祭り騒ぎ全体に言える。

私にはCORRECTに見えないのである。日本にいる欧米人もみんなそう言う。

かつて、ある美術館の内外装を頼まれた時、大物の骨董品(建築資材)のオークションに行った時、移動サーカスのテントの外の飾りつけが出ていた。

100万円しなかったので、『これだけの手の込んだ出来で安いな~~』と思ったが、美術館は『使い道が思い浮かばない』というのでパスした。まあ、自分の家には置けませんからね。

私なら紺碧の海の断崖絶壁の上に、パルテノン神殿のような白亜の建築を建て、それの破風に、プラクシテレスの彫刻のようにこれをはめこんで、イタリア・ギリシャ料理のレストランでもやったらよいのではないかと野心は膨らんだが、誰も『大土地持ち』は共鳴しなかった(爆)。

これはイカロスかフェートンか、太陽の馬車でしょう。しかし、その馬車の前面にカラヴァッジョのメヂューサの顔が付いているのが珍しいと思った。メヂューサはヴェルサーチの服の中にたくさん使われている。

ああ!そうか、彼らに話を振るべきだったかもしれませんね(爆)。

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