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Channel: 英国式自転車生活
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いじめから虐待まで

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中学時代、たぶん、あれは『深刻いじめ第一世代』だったのではないか?と思うのですが、そこで、風紀を取り締まる親玉にされた。いま思い返しても、あれは苦しい時代だった。2度とああいう状況はみたくないと思う。

風紀取り締まりの教師は、卒業式の日、『おまえのおかげでずいぶんうまく行った。近所の学校では卒業式の時、ガラスを割れたり、さまざまなことが起こっている。報復があるかもしれないから、充分気をつけて、プールの裏の塀をのり超えて、別の道から帰れ。今日は特別に許す』と言われた。


その先生はクリント・イーストウッド風だった。
『オマエの考えていることはわかっている。こいつはもうすでに6発使ったかな?それともまだ5発かってな。やってみろ。そして、Make my day !』
『オマエの考えていることはわかっている。こいつは父母会が怖くてやめるかな?それともしっかり強硬路線で罰をあたえるかなってな。やってみろ。そしてMake my day !』


見ていると、『庶民的で、グループからの同調圧力が強いところほど、よろしくない組織は育つ傾向がある』。第二次大戦中のドイツ、イタリア、スペイン・グループと英国、北欧グループをみてみるとよくわかる。


バトル・オヴ・ブリテンで英国側にはパイロットが足りない傾向があったが、自ら志願して英国へ来てスピットファイアに乗った東欧からのパイロットやオーストラリアのパイロットがいた。権威に『オマエ行け』とか言われたのではない。ほんもののボランティアだ。ボランティアは『何に殉じたのか?』。そこが重要だろう。

その『グループ形成』が行われる時、攻撃対象をつくってまとめるというのはよくある手だ。集団からの同調圧力が強い場合、なんとなく加担して、グループ内で同じような人たちとつるんで、外部の『敵』を攻撃して、それは愉しい共同体感覚になっているのが、当時の印刷物をみているとよくわかる。


インターネットを見ていると、『自分より上の人たちをHATEする人たち』がこのところすごく多いのに気がつく。私の時代、批判すべき相手は一枚岩でなく、モザイクだった。あの教師は偽善者だが、もう一人の方はやられっぱなしで気の毒だ、と『すべて一律ではなかった』。


いじめも、じつは個々人はそういう意識がない場合でも、集団同調圧力でまとまった時、別物になる。そこで『自分は加わらない、やらない』と言えるかどうか、そこが教育されるべきだが、どうも最近ではそうではないようだ。


少なくともバブル以前のこの国で、高齢者が施設で大量にKOROされたとか、消毒液を点滴にいれられたとか言う事件があった記憶がない。


インターネットでさまざまなものを見ると、どうもパソコン上では『歯止めがかからない』のではないか。しかも、全世界とつながっているので、そうしたよろしくないものの影響はいくらでも来る。ゲームや画像での過激な攻撃シーンは枚挙にいとまがない。


自分の中でポコッと湧いた泡のようなよからぬ考えが、歯止めなくコロモが付いて行くのではないか?しかも、それが『面白い』と感じる人と結びつくと、それが社会的に了承されたかのように勘違いする。そうすると、発信するがわは、面白くしようと、もっと過激になる。


じつは、ヤフーのブログでそうした高齢者虐待につながるような、高齢者を揶揄するマンガを書いている人がいた。『これは問題の温床になるだろうな』と、発展すれば憂慮すべきものとなる『種』が含まれているのを感じた。しかし、そのマンガ自体は下手ではない。プロでもそのくらいの人はいる。そこにひかれて集まってくる人がけっこういる。ただ、その内容の含む問題には一切、口をさしはさむ人はいない。

『みんなが楽しんでいるのに、水をかけるようなことはいわない』のだろう。こうした『同調圧力、なんともいえない、仲間から外した人を揶揄するような、まぬるい仲間意識のなかでの淫靡なここちよさ』を私は気持ちが悪いと思う。


その対象が、同じ年齢のひとから、高齢者へ移ったのかな?とぼんやりと感じる。

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