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Channel: 英国式自転車生活
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素朴な疑問

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古いニュースでTOYOTAが新しくコンセプト・モデルとしてSETSUNAという木製自動車を試作したというのを見た。

まず、私の第一印象。『ドイツのWW2の時の水陸両用車シュビムワーゲンにそっくりだな』ということ。ネットで、双方を検索して見較べてください(写真はシュビムワーゲン)。

たぶん、ヨーロッパのクルマ好きも同じ感想を持つだろうと思う。

習字を勉強した人は、他人の字を見て、『この人は王義之を勉強したな』とか、『褚遂良をずいぶん参考にしたな』とか、すぐわかる。何の根拠も証拠もないのですが、同業の人には『影響はすぐピンとくる』。

これは絵画でも、陶芸でもそうです。いや、自転車のフレームづくりでもそうだ。

さて、その私の印象はさておき、『木製自動車』ですが、これは昔からウィリアム・ハーラーのコレクションにあったクレーン・シンプレックスとか、さまざまなメーカーが今から80年~90年前に木製ボディとアルミパネルで自動車を作っていた。映画炎のランナーにも木製ボディのクルマが出てきます(たぶん、Jean Henri-Labourdetteの作ったボディだ)。

これが廃れた理由は、木製ボディは事故した時に、木製部品が割れて尖るというのが問題なわけです。

同じ理由によって、国によっては『木製、ウッドリムステアリングすら安全基準を通らなくなった』。それは1970年代の話。1970年代、だからTOYOTAのウッドリムステアリングの多くは、クラウンのハードトップもコロナ・マーク兇癲▲廛薀好船奪製の疑似ウッドだった。それがじつに滑りやすいものだった記憶がある。

また、自転車族としては、鉄板ボディのクルマなら、はねられてもボディがいくらか凹んでくれて、いくらか衝撃が緩和されるわけですが、木製ボディでそれはない。下手をしたら、尖った部分がはねられた人に刺さるだろう。ぶつかった相手への配慮が感じられない。そこには何とも言えない『クルマ中心思想』が私には感じられる。

見ていて、こういうことが頭に浮かんで、どうも『面白い』とすら私には感じられない。反時代的なのかもしれませんが。

そもそも、オール木製ボディの自動車は今から25年ほど前に、日本人女性と結婚したイタリア人の人が作っていた。たまたま飛行機で、私の隣の席にその人が座り、私はその写真を見せられた記憶がある。フィアット500のトポリーノなども木製ボディで作っていた。『新しい』感じが私はしない。

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