あまりに『ヲタク』な自転車の話が続くと、毎日のぞきに来ておられる方々が退屈されると思うので、ちょっと違う話(笑)。
私は人生の前半、かなりの期間、旅に生きていた。常に旅行しているか、外国にいることが多かったのですが、『目覚まし時計無しで生活していた』。
いまでも、私はひとつも目覚まし時計を持っていません。携帯の目覚ましも使ったことがありません。
『時差』はわからないと困るので、時差がわかるタイムリング付きの四角い、オブラートの箱ぐらいの旅行車用時計はありましたが、それも『GMTマスター』を買ってから持ち歩かなくなり、目覚まし無しで仕事の海外旅行に出かけていました。
その話を会社のタイピストに話した時、みんな唖然としていました。『そんな!恐ろしいことを!』。
それは、私の海外出張時のスケジュールがたいへん詰まっていて、何時何分に、シカゴ・オヘア空港でチャーター便に乗り替え、ジャクソンに飛び、そこで仕事を終えたら、またチャーター便に乗って、、と、一日に2回飛行機に乗ることも珍しくないスケジュールでした。どこか一か所で寝過ごしたり、乗り逃がしたりすると、そのあとのすべてのスケジュールに影響する。
私が会社員時代には、スカイプなどというものはなく、Eメールもありませんでしたら、テレックスという穿孔紙(穴の開いたテープ)を信号で流すと、それがタイプライターを相手先で動かして、英文の文字が印字されるというシステムがメインで使われていました。
すべての1週間~10日の手配をやり直すのはたいへんな手間であったわけです。
しかし、私は仕事中は寝過ごすことがまったくありませんでした。目覚ましをかけても、目覚ましが鳴る30秒ぐらい前に必ず目がさめた。『ああ、もう目覚ましはいらないな』と思った。
これには秘訣がありまして、その方法は『こども時代に読んだ忍者手帳』にあったのです。それが何の付録だったかは覚えていない。『少年』の付録であったか、『冒険王』の付録であったか、『少年画報』の付録であったか。
それには、『人ごみを驚くほど速くすり抜ける方法』とか、そういうものがビッチリ書かれていました。けっこうほんとうに使えるものが載っていた。『ニワトリに催眠術をかけ、眠らせる方法』、『知らないよその犬を手なずける方法』、『暗闇でものが見える,てのひらを使った見方』などのやり方が事細かに説明してあった。
その中の一つの項目にあったのが、『目覚ましを使わなくても定められた時間に目を覚ます方法』というもの。これは実に簡単で、『胸を、寝る前に6時に起きたいなら6回叩いて、朝6時に起きられますように、と一心に誓ってから寝る』。不思議なもので必ずその時間に目がさめます。
これは、一部で『ま~くらさん、枕さん、明日◎×時に起こしてください』というのがあったのと似ている。その忍者ヴァージョンは『胸をこぶしで起きたい時間の数叩く』というのがミソ。強くたたく必要はありません。
私はこれひとつとGMTマスターで、世界中を飛び回っていた(笑)。どうしても不安な時は、ホテルのフロントにモーニングコールを頼んだが、だいたい呼び出し音一回で起きる。もう起きていましたから。
これが利かないという人は、体内時計がうまくいっていないか、体調がでていないか、なにか理由があるはず。具合が悪い時は『ずれ』が出るのを体験している。
その『忍者手帳』の中に、『人の夢に現れる方法』というのが出ていた。これも効くのですが、その方法は教えない(爆)。これは心理学の暗示の一種だろうと思うのですが、実によく利く。
何回か女性に、『じゃあ、今晩キミの夢に出るから』と言って、ほんとうに現れ、翌日、必ず向うから電話が来た。『R&Fさん。ほんとうにそう云う夢を見たんですけど、どうやってやったんですか???』(爆)。
忍者マジックおそるべし。イル―ジョン系のマジシャンも私は使っていると思う。
先日、仲間の戦国甲冑マニアが、江戸時代の巻物を買ったのですが、その中に『敵の考えていることを知る方』というのが載っていて、その彼は笑ってしまったというのですが、その方法を聞いて、『ああ、それはちゃんと使える方法だろうな』と思った。
昔の忍者とか武士はどうしてそういうことを思いついたのか?私は彼らが密教を学んでいたこととかかわりがあると考えている。
釈尊が入滅する時、『地を思う神々が、髪を乱して泣き、両腕を突き出して泣き、砕かれた岩のようにうち倒れ、のたうちまわり、ころがった』とお経に書いてある。
神々がどうして、人間のことで、そういうふうになるのか?これは何十年も私の中で疑問だった。それが解けた時、『ああ、日本の伝統文化の智慧はすごいな』と思った。私にその扉を開くカギをくれたのは、じつは聖書の一節であったというのも、なんとも面白いことだ。
私の中の『統一理論』は忍者手帳をきっかけとして、2つの潮流のなかから出来たと言える(笑)。