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Channel: 英国式自転車生活
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英国の機械

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最近の学校にも『理科室』というのが、むかしと同じ風情であるのかどうかわかりませんが、科学実験の機械とかはなかなか面白いものだった。私などはあまりに『ひねりが利いている設計』よりは『実直で真面目な感じ』が好きです。

これは理科系人間を大きく2タイプに分けるところだと思うのですが、機械工学系、建築系、美術系の『視覚型人間』と、コンピューターや弱電や化学のほうへすすむ『見えないところが面白い』という人と、気質が大きく割れるところだろうと思う。

私は『どこの機械が好きか?』と言われたら、イタリアの物と英国の物です。ドイツの物には非常に抵抗感がある。美学的に我慢できない。これはアルブレヒト・デューラーやホルバインが嫌いで、ラファエッロやボッティチェッリが好き、ヴォーグ・イタリアは好きだがブルダにはなんらこころ動かないのというのと似ている。

その英国の機械は、どこか『理科室のお手本的な美学』となにか共通のものがあるように思える。

ここにあげた写真を見てわかるとおり、自転車のブレーキをみても、けっこう斬新で進歩的なカタチをしている(今から85年以上前の車両だ)。しかし、印象は実直で質実剛健のイメージ。クルマもそうですが、ヘッドライトはきわめてわかりやすく分解できそうなカタチをしている。しかも動物の目玉的で、無機的な感じがしない。

ボディパネルはクリップとボルトとナットでとめられていて、交換が出来る。そういうことは現代では考えられないだろう。

何よりも私が好ましく思うのは、多くの曲線がフリーハンドで描かれていて、『コンピューター曲線』ではないことだ。これは列車のデザインまでそういうことが言えると思う。

現代の機械がいやらしく、しかもすぐ見飽きるのの理由の一つは、私はコンピューター曲線に理由があると思っている。アニメーションでも、アメリカのコンピューターで描いているのは顔が我慢できない。

というわけで、アンチテーゼとしての古物を週末なのでアップします(笑)。

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