若いころは座ってホイールのフレ取りをやっていました。目も良かったし『腰を据えてホイールを組む、あるいは振れをとる』ということから、しっかり台の付いた振れ取り台を使うのが普通だった。
しかし、歳をとると、老眼は入ってくるし、座ってやっていると腰も痛くなるし、作業台取り付け型のほうが便利だと思うようになった。
この写真のものがこのあいだ書いた、『ボロボロなのに妙に使い勝手がよい』自転車店の工具です。
もう白い塗装は油に焼け、もろもろで、竹串で落ちる。落として再塗装しようか、と思っていたら、なんだか、下は鉄瓶のようにいい味になっていた。
しかも、鉄のワイヤブラシでこすると火花が出る(笑)。再生鉄ではなくて、南部あたりの砂鉄でやったのではないか???錆びていないんです。しかもネジ類にガタがない。
ずいぶん使いやすい。私は最近のプレスで作った振れ取り台が嫌い。一見よさそうなのですが、左右のアームがネジで同時に動いたりというのが、昔ながらのオヤジにはしっくりこない。右と左と片側づつ振れをとって、左右のシャフト抑えを同時に回しながら左右にずらし、振れ幅を少なくしてゆくのがいい。
自転車を趣味するのなら、ひとつはあってもよい。いや、自分でひととおりのことを出来るようになるつもりなら、必要でしょう。
捨てる自転車のホイールをもらってきて、何回かやってみて失敗すれば出来るようになる。一生もののスキルだから、ぜひチャレンジしてほしい。
もう、ちょっと気合を入れて剥がせば、綺麗になりますな。ジャンク扱いなので激安だった。しかし、これはほんとうに『キューポラのある町』のような、荒川河岸という感じがする。昭和レトロの趣味にも必要でしょう。