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Channel: 英国式自転車生活
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身もふたもなし

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このあいだ、なにげなく小学校の時の親友の名前をいれて検索してみたら、ずいぶん偉くなっていた。

その彼は運動も学年で5本の指に入るほど優秀で、かつ学業もトップクラスだった。身体能力と頭脳は両立しないかのような世論に私も惑わされていました(笑)。思い出すのは、『ガリベンでなく、ほんとうに頭が良いやつは身体能力も高かった』という不愉快な現実(笑)。

しかし、いま人間を長いことやって思うことは、『身体能力も高く、脳の性能も高いということはけっこうある』ということです。過剰な練習などで時間をとられ、知的側面がおろそかになることはあるでしょうが、基本的なポテンシャルは高い。

脳も内臓の一種ですから、運動もせずに座るか寝るかしていたら、どんどん不活発になる。

どうなのか?脳は情報処理と記憶分担の内臓ですから、運動に必要な記憶や情報処理、外部刺激に対して反応する能力は、運動方面も知的方面も同じなのではないか?

月曜日、火曜日は雑誌を一通りパラパラ立ち読みするのですが、そのなかに運動しないことと認知症の関係が書かれていた。たぶん、運動もせず知的刺激もなくでは、脳もなまる。それも何時も同じような刺激では、『脳はルーティーン処理モード』に入って、たいして働いていないのだと思う。『飽きる』とか『マンネリ』とかいうのはそういうことではないのか?

最初に『運動能力と脳』のことを痛感したのは、ダンサーの人たちが、みんなものすごく記憶力がよいということでした。一回人の動きをみたら、たちどころに覚える。しかも、まったく同じに動く。身体能力も陸上選手並みに高い。

運動では、あまり「脳の処理能力を使わない種目もあります」。綱引きとか(笑)。ただ耐えて、ひとつの行動を続けるとか、こらえて身体能力を限界まで引っ張る。

自転車は乗り方によっては後者に近い場合が多い。昔から言われていたのは、『自転車を趣味にしている人は球技が不得手』『社交的でない人が多い』。言えてるかもしれない。

これは、かなり意識的に趣味の方向性を把握していないと、『ただ一人で疾走して終了』『ただ一人で同じルートを徘徊して終了』に陥りやすい。私がブログで『自転車生活』として、生活全般を書こうとしている理由はそこにある。

立ち読みでパラパラめくっていたので、何の雑誌で読んだのか忘れましたが、後期中年から動体視力が激烈に落ちること、また注意が払える視野が半分以下のエリアに狭まることが数値的に出ていた。

飛び出しなどに対応できる視野が狭まるために、後期中年から高齢者は自動車などの運転速度を下げざるおえないので、本能的にゆっくりの運転になっているというレポートだった。

一方で自転車の方の世界の調査で、自転車に乗っていると、60歳過ぎても肺活量が、ほかの運動をしている選手などとくらべて、ずばぬけて落ちないのが統計的にわかっている。

これがじつは多くの事故の原因になっている気がする。息も切れない、筋力も筋持久力もある、しかし動体視力は落ち、反応可能視野はせばまり、つまり脳の情報処理能力は老化をまぬがれていない。

身体能力はまだ高いんだけれども、反応速度は落ちている。

同じ雑誌に政治家の谷垣氏が復帰は難しく、彼の派閥も解散はまぬがれられないと言う記事が載っていた。私は政治のことは話すつもりはないんですが、じつはある問屋が私の設計の「ねこじるし」自転車を彼と橋本氏に乗せると息巻いていた。その問屋の輸入するイタリア車の顧客でもあったので。その意味でも私は見るとはなしに様子を眺めていたのですが、意外に知られていないのは、彼は日本サイクリング協会の会長なのです。

「どうかな。あの方はちょっとロードに偏りすぎているのではないかな」と答えたのを覚えている。

サイクリングの意味する範囲は広いわけで、どこかの高原リゾートで、夏休みと避暑をかねて、自転車散策して、そこで逢った人たちと雑談交流という、情報収集ならびに気分転換の道もあっただろうと思う。そういうサイクリングも成立するはずだ。なぜ、70歳を超えて疾走型の気分転換に自転車趣味の軸足を置いたのか?私にはわからない。

ネットではずいぶん『高性能自転車はスクーター、カブ並みに速いので危険だ』とか『自転車はだから事故が怖い』とか、彼の事故を契機にずいぶん自転車危険論が盛り上がっている。これは政治の世界だけではなく、自転車のマイナスイメージを高めたわけで、サイクリング協会の会長として軽率だったといわざるおえない。

後期中年からの運動による事故の後遺症は長引きます。頸椎などの場合は5年8年のリハビリも珍しくなく、そうすると、後期中年~老年の人が、筋肉が落ちると、ホルモンの関係から、一度落ちた筋肉はまず戻すのは至難のことです。

ある年齢に達したら、たとえ身体能力が人より高く残っていても、おさえて行動することが肝要だと思う。

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