ブリュッセルの空港と地下鉄でいたましいテロ事件が起きましたが、私は感無量です。
私が生まれて初めて踏んだヨーロッパの土地はブリュッセルで、乗っていた飛行機はサベナ・ベルギー航空だった。
窓の下に初めて見るヨーロッパの光は感動的で、ブリュッセルには白い蛍光灯などがないので、巨大なシャンデリアのように見えたことを覚えている。
ブリュッセル空港にはだいたい明け方、日の出前に着いて、トランジットで空港構内にいると、夜が白んできて、建物の中に雀がたくさん住んでいて飛びまわっていた。
その後も、サベナの安いリファンダブル、エンドゥ―サメントの航空券が80年代にはけっこう出廻っていたので、よく利用していた。
ベルギーには友人も何人かいる。ゲイトー、イヴ、フェリシア、無事の確認とお悔やみでメールをした。
日本ではベルギーにはなじみがない人が多いですが、じつはヨーロッパでは重要な国です。
ベルギーはヨーロッパを戦争から遠ざけるため、英国が人工的に作った緩衝地帯。英国がスペインを倒し、オランダがスペインの圧政から独立し、海洋国家として力を付け、それが徐々に弱まると今度はフランスにナポレオンが出て拡張主義を取った。
そのナポレオンを英国が打ち破ったあと、英国はオランダから独立したがっていたベルギーを援助し、そしてベルギーは永世中立国として独立した。
オランダと英国、英国とドイツ、英国とフランス、どことの対立が生じても、ベルギーが永世中立国である以上、むやみな拡張主義はとれない。
ベルギーは小国ながらヨーロッパの平和と安定の要石なわけです。
その意味でもベルギーはEUの本拠地としての地位にある。そこを目指して中東から長年わらわらと移民がやってきた。昔から住んでいた人たちは恐れをなしてオランダなどへ移り住んでゆく。あと15年でベルギーの伊須荒武教徒の割合は過半数を超える。その要石がはずされる危険が出てきた。
彼らが「スティツ」と言っている意味を日本人はよく考える必要がある。スティツは州であり、世界には『州が集まった国』もあるわけで、彼らの宗教では『国』という意識がない。部族社会の延長に州の集合体を持ってくるのが背景の考えでしょう。「ヨーロッパの中の飛び州であってもいいわけだ」。
また聖典の中に「彼らのうちに目立たないように住み、彼らを追い出し乗っ取ってしまえ」と書かれているくだりもある。まさにベルギーはそれが起こりつつある場所と言える。
ベルギーはまた、世界のダイアモンドの8割が流通通過する土地でもある。長年、職業の自由を制限されてきた猶太の民は金融や宝石業にしか仕事の道がなかったわけですが、彼らもまたけっこうな人口がベルギーに居る。
そういう場所で勢力を拡大し、フランスや英国へ出かけて行くパターンの彼らが、おひざ元での今回の事件。
なんとも嫌な時代になった。世界中で宗教が元でおかしなことになりつつある。
バートランド・ラッセルが晩年オーストラリアのラジオのインタヴューで面白いことを言っていた。「何ごとによらず、現代に於いてはひとつのことを信じ過ぎないことが重要だと思います」、「すべての宗教は究極的なところでは有害であると私は考えています。キリスト教も長い間、どちらかというと恐ろしいものだったのではありませんか?魔女狩りの嵐の吹き荒れる中、あるいはユグノー教徒迫害殺戮の中、果たして生きていて幸せだったでしょうか?ヨーロッパが住み良くなったのは、もはや現代ヨーロッパでは、昔のように信じて信奉している人があまりいなくなって、平和に住み良くなったのだと私は考えていますがね。」
私が生まれて初めて踏んだヨーロッパの土地はブリュッセルで、乗っていた飛行機はサベナ・ベルギー航空だった。
窓の下に初めて見るヨーロッパの光は感動的で、ブリュッセルには白い蛍光灯などがないので、巨大なシャンデリアのように見えたことを覚えている。
ブリュッセル空港にはだいたい明け方、日の出前に着いて、トランジットで空港構内にいると、夜が白んできて、建物の中に雀がたくさん住んでいて飛びまわっていた。
その後も、サベナの安いリファンダブル、エンドゥ―サメントの航空券が80年代にはけっこう出廻っていたので、よく利用していた。
ベルギーには友人も何人かいる。ゲイトー、イヴ、フェリシア、無事の確認とお悔やみでメールをした。
日本ではベルギーにはなじみがない人が多いですが、じつはヨーロッパでは重要な国です。
ベルギーはヨーロッパを戦争から遠ざけるため、英国が人工的に作った緩衝地帯。英国がスペインを倒し、オランダがスペインの圧政から独立し、海洋国家として力を付け、それが徐々に弱まると今度はフランスにナポレオンが出て拡張主義を取った。
そのナポレオンを英国が打ち破ったあと、英国はオランダから独立したがっていたベルギーを援助し、そしてベルギーは永世中立国として独立した。
オランダと英国、英国とドイツ、英国とフランス、どことの対立が生じても、ベルギーが永世中立国である以上、むやみな拡張主義はとれない。
ベルギーは小国ながらヨーロッパの平和と安定の要石なわけです。
その意味でもベルギーはEUの本拠地としての地位にある。そこを目指して中東から長年わらわらと移民がやってきた。昔から住んでいた人たちは恐れをなしてオランダなどへ移り住んでゆく。あと15年でベルギーの伊須荒武教徒の割合は過半数を超える。その要石がはずされる危険が出てきた。
彼らが「スティツ」と言っている意味を日本人はよく考える必要がある。スティツは州であり、世界には『州が集まった国』もあるわけで、彼らの宗教では『国』という意識がない。部族社会の延長に州の集合体を持ってくるのが背景の考えでしょう。「ヨーロッパの中の飛び州であってもいいわけだ」。
また聖典の中に「彼らのうちに目立たないように住み、彼らを追い出し乗っ取ってしまえ」と書かれているくだりもある。まさにベルギーはそれが起こりつつある場所と言える。
ベルギーはまた、世界のダイアモンドの8割が流通通過する土地でもある。長年、職業の自由を制限されてきた猶太の民は金融や宝石業にしか仕事の道がなかったわけですが、彼らもまたけっこうな人口がベルギーに居る。
そういう場所で勢力を拡大し、フランスや英国へ出かけて行くパターンの彼らが、おひざ元での今回の事件。
なんとも嫌な時代になった。世界中で宗教が元でおかしなことになりつつある。
バートランド・ラッセルが晩年オーストラリアのラジオのインタヴューで面白いことを言っていた。「何ごとによらず、現代に於いてはひとつのことを信じ過ぎないことが重要だと思います」、「すべての宗教は究極的なところでは有害であると私は考えています。キリスト教も長い間、どちらかというと恐ろしいものだったのではありませんか?魔女狩りの嵐の吹き荒れる中、あるいはユグノー教徒迫害殺戮の中、果たして生きていて幸せだったでしょうか?ヨーロッパが住み良くなったのは、もはや現代ヨーロッパでは、昔のように信じて信奉している人があまりいなくなって、平和に住み良くなったのだと私は考えていますがね。」