しかし、私は今年は国産車にいっそう心惹かれた。日本の黄葉風景の中で、ダットサンやサニーが外車勢には出せない風情を醸し出しているのが濃厚に感じられました。
私は若いころはダットサンよりオースチン・セヴン・チャミーに惹かれたものですが、さんざん英国三昧をやってきた今、「やっぱりダットサンいいな」と思う。
その細部に宿る日本の実直さというのか、ヨーロッパ物にはない日本の美学が良いと思う。
それにしても、どの車両も、英国でいうところの「そのものの持つオリジナルの風情に同情的なレストア」がなされていて、その点も実に良かった。
こういう車両を、現代のものに対するアンチテーゼとして、あるいは「失ってはいけないものを、物それ自体の存在感で示すため」にも、こういう集まりはもっと注目されて良いと思う。