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Channel: 英国式自転車生活
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その国の魅力

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この歳になると、あと何回海外旅行ができるのかな、と諸行無常を感じます。

20代は多い時は年に6回海外に出ていましたから、ずいぶんおとなしくなったものです。「あと残りの回数をふりわけるとしたらどこか?」というのは大きい問題です。

逆に言うと、「二度と行かずに人生を終えても後悔しないのはどこか?」というのも考えざる終えない。あるいは国でなく「都市」でもよいのですが。

「行かなくても良い場所」というのは比較的すぐ思い浮かぶ。アメリカならアンカレッジとか、ミシシッピのジャクソンだとか、ワシントンDCだとか、サンフランシスコだとか、オーストラリアのオレンジ州だとか、キャンベラだとか、スイスのジュネーヴだとか。

隣国2つもどうでもいい。最近になって「おばさまたちの映画を通じての恋」も冷めたようですが、いまここへきて騒がれている傾向は、私が年2~3回仕事で行っていた頃からあった。「聖徳太子のかぶっているのは、じつは我が国の靴下だ、貴方の国はどうしようもない後進国だった」というのは真顔で何度も聞かされた。6千年以上、部族間のおだやかな交易で栄え、戦争もなく鎧・甲冑もなく、平和な自然循環エコ生活をしていた縄文人を「つちぐも」とか呼んで殺しまくり、あげく同族で血みどろの権力争いをしていたのを「先進」と呼んでいいものなのか。

その「聖徳太子と靴下説」の人には思いっきり言い返した。
「日本の大仏殿を建てた人は、たしか貴方の国から来た建築家でしたね。浅草寺のご本尊も深大寺の仏様も、貴方たちのところから来た人が作ったといわれているほとけさまです。優秀な人たちはあの時代にみんな私の国へ来たんじゃないかな。貴方の国に大仏殿ないし、、。」
若気のいたりの発言でした(笑)。

まあ、出かけて行ってまで、不毛な話はしたくありません。

ブータンとかネパールとかは行って見たい。インドも中東もまた行ってみたい。ヨーロッパでなぜかそういう気にならないのはドイツとスペイン。イタリアとフランス、英国は何度でもと言う感じ。なぜイタリア、フランスがよくて、スペインがダメなのか自分でもわかりません。これはオーストリアはよくてドイツがダメなのと似ている。

さて振り返って日本はどうなのか?

先日来たゴッド・サンは空港からいきなり府中へひっぱってきた。そこから東京の西をメインにたまに都心へ攻め入る感じ。これは以前何人かを浅草寺の近くとか、お茶の水に宿をとらせ、(あるいは彼らが自分でとり)『東京はこりごりだ。二度と行かない』と言う人がけっこういたことの反省です。

実際、この25年で二度と日本へ戻ってこなかったのが、私の周りだけでも40人以上いると言うことの意味は大きい。もちろん彼らは鎌倉・京都・奈良などへも行っています。それでも再び日本へ来ようとせず、東南アジアのほかのリゾートに行っている。

見ていて面白いのは、大戸屋へ連れて行くとみんなけっこう納得する。それは「日本で外食すると似たようなジャンクフードばかりだ」と言う声がよく聞こえてきたからでした。たしかに自分も外食で、どんぶりもの、麺類ばかりだといいかげん野菜不足と単調さでうんざりする。それ以外に何があるのか?というとけっこう種類がない。

数年前、ウイーンに北米のコーヒーチェーン店が出来て、私はおおいにしらけた。それが巨大なソファーが置いてあって、店の面積あたりの一人の客のインテリア料金は世界最高でしょう。それが東京と同じ代金でやっている。中へ入ってみたら、アメリカ人観光客がデカイ声で話しているのがたくさんいた。

ひるがえって、もし私が「ヴェニール」(ウイーン子)で日本へ来て、珈琲で一服となった時、北米のコーヒー屋ばかりで、たまに「努とーる」なら、心中複雑でしょう。「努とーる」はヨーロッパのNEROにあたるんだな、とピンと来る。北米モノはいやだ、日本茶の出る喫茶店はどこ?と思うでしょう。

日本だと「旅行の時ホテルに金をかけ、、」というのがメンタリティなので、高級ホテルにしてサービスをよくして、、と考えがちですが、そういうのはリタイヤして、使い切れないほど金のある人が考えることで、欧米先進国では「宿代に金は使わない」。「ましてや、世界中どこへいっても同じような西洋式高級ホテルに大金を払って旅する奴はバカ」という認識です。できればその土地の風情のある宿へ泊まろうとする。

かくして、日本では安い蛸部屋のような安宿に海外からの旅行者が殺到する。私はじつはゴッドサンが来る最初の日と滞在最後の日はホテルにしようとして、外国人のフリをして、事前に、英語で安宿へ見に行ってみました、「部屋を見せてくれ」と。こういうのは貴重な体験です。正直、インドのど田舎アサンソールのホステルより酷かった。結局、新撰組が奉納試合をする時に泊まっていた宿と価格が1500円しか違わないので、うちのほうへ空港から連れてきた。

しかし、個人でプランをたてて旅行しようとする海外のひとには、そういうのは極端に難しい。さて、オリンピックのころに、どうなるんでしょう?

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