背骨の具合がすぐれず、ぼちぼち別の作業を。じみな小さい作業。
懸案だったヘッド小物の欠けはスズで埋め、内側のベアリング滑走面は熱でダメージを与えることなく完了。以前は回っているベアリングが見えていた。あとはスズがくすんでくれば、直したところは見えなくなってくる。日本製のこうした戦前物の「じかわん」のヘッドセットなどまずありません。
ボトムブラケットの裏はオリジナルの塗装が残っており、その下には荒っぽいヤスリ跡が見えます。こういうのは当時のやりかたやレベルを知る参考になるので一切手をつけてはいけません。
ホイールもある。ブレーキとハンドルもある。
さて、無いのは左側のクランク。これはまったく同じ長さのクランクの左側が自転車屋の裏庭にころがっていたので、それをハンドファイル(手でのやすりがけ)で同じような感じに削る。
80年前の日本製のクランクのスペアなど、どこを探してもありませんから。
「あとは新オーナーに自分でやらせよう」
と表側だけほどほどに削って、無慈悲に箱詰めして着払いで送る(笑)。うちの雲水だし、いい修行だ、と納得した午後でした(爆)。