その昔、アマテイとストラッドの聞き較べなる催しがあって行ったことがあります。
「いや~~、カンベンして」というくらい下手だった。なんで、もっと上手い人に貸し出さないのかな?というのが正直な感想でした。
なにごとも「つりあい」ということがある。
うちへたまに遊びに来ていた自転車好きの男で、自転車に乗る時金の懐中時計をしている男がいました。私は別に気にもとめず、「金メッキだろう」と思っていたのですが、ある時、それが金無垢だったので驚愕したことがあります。その彼は30歳ぐらいの童顔で、まわりの者は全員金メッキだと思っていた(笑)。
英国で古物を上手く探すと、昔は20万円弱で金無垢のいい懐中時計が買えました。金回りの良かった時にじつは買ってみたことがあります。まあず全然似合わないのがわかって、すぐ売ってしまった。
これはじつはたいへん重要なことだと思う。
あまりに分不相応なものを持っていると、アヤシイ感じ、うさんくさい感じになる。
だいたいロンドンに居る時は、私はノッテイング・ヒル・ゲイトかいわいでウロウロしているのですが、朝、ケンジントン・チャーチ・ハイストリートの美味いパン屋へスイート・バンズを買いに行き、散歩を終えたら公園で食べたりしていました。たまに護衛を二人ともなった故ダイアナ妃とでくわしたりした。
ある時、日常使いに使っているとはっきりわかる古いロールス・ロイスが骨董屋の前に止まりました。じつに良い具合にやれている。エンジンは「静粛なモーター」と言う感じで、いかにも作りの良さそうな音がしている。実に静かで、スパスパいうエンジンが空気を吸い込む音がしていました。
ドアを開けると、床には壁取り付けのシャンデリアがダンボールに入って置かれていて、革のシートの上にはお行儀よくスチュアート王のと同じようなスパニエルが座ってにこにこして尻尾をふっていた。
「スナイプ、Stay !(おすわり)じっとしてるんだぞ。」
そう言って運転してきた男性(42~43歳ぐらい)は店内に消えました。私はロールスを眺めていましたが、その男性は店主を連れてきて、
「もう家の改装でいらなくなったんだが、使い道はあるかい?」
などと買取交渉。商談成立のあと、店主は箱をクルマからおろしました。店主は「いいこだ~♪」とか言いながらスパニエルの頭をなでたりしている。
これはかなわないな、と思いました。日本の自動車マニアなら、犬をRRの革シートの上に乗せるなんてやったら半狂乱になるのではないか(笑)?
その時、自分には宝くじがあたっても古いRRなんて無理、と深く納得した。
彼らにとっては、それはSocial respectability と そのコストのバランスの上で「経済的」だと思ってやっている。
英国では自分の家のガレージのソファは革と相場が決まっている。それはホコリがついても、モケットのように中に入ってしまわない。馬の鞍のように払えばきれいになる。自動車の革シートも本来はそういう意味であったはずです。
日本では、なぜかそれがチリひとつない応接間に、威圧するために置かれたりする。肩の力が抜けていないように見える。
ヨーロッパの人がものすごいジュエリーを買うのは、万が一の戦争の時など、身につけて逃げられ、逃げた先でそれを売って、その先で新しい生活を始める資金源とするための一種の保険です。単に贅沢のためにしているのではない。
私もいいオヤジなので、あまりに「人生に疲れた感じはよくないかな?」と思うのですが、このつりあいはむずかしい。ようやっと、うちの祖父がしていたような国産の金メッキの腕時計の古いのぐらいはしてもいいかな?と思うようになりました。
まあ、残りの人生で「メッキが剥がれる」こともないでしょう(自分もね。爆)。
お仲間のブログに面白いものが出ていました。「クラス・カリュキュレイター」という英国のBBC放送局がつくったもの。ぜひやってみてください。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-22000973
これで「エリート」のカテゴリーに入らなかったら、サンビームの自転車とか、アルヴイス、ベントレーはやめておいたほうが無難かもしれません(笑)。
私は?なぜか「エリート」に入りました♪。日本の集合住宅にすむ大貧民、英国のエリトートとなる(爆)。
「いや~~、カンベンして」というくらい下手だった。なんで、もっと上手い人に貸し出さないのかな?というのが正直な感想でした。
なにごとも「つりあい」ということがある。
うちへたまに遊びに来ていた自転車好きの男で、自転車に乗る時金の懐中時計をしている男がいました。私は別に気にもとめず、「金メッキだろう」と思っていたのですが、ある時、それが金無垢だったので驚愕したことがあります。その彼は30歳ぐらいの童顔で、まわりの者は全員金メッキだと思っていた(笑)。
英国で古物を上手く探すと、昔は20万円弱で金無垢のいい懐中時計が買えました。金回りの良かった時にじつは買ってみたことがあります。まあず全然似合わないのがわかって、すぐ売ってしまった。
これはじつはたいへん重要なことだと思う。
あまりに分不相応なものを持っていると、アヤシイ感じ、うさんくさい感じになる。
だいたいロンドンに居る時は、私はノッテイング・ヒル・ゲイトかいわいでウロウロしているのですが、朝、ケンジントン・チャーチ・ハイストリートの美味いパン屋へスイート・バンズを買いに行き、散歩を終えたら公園で食べたりしていました。たまに護衛を二人ともなった故ダイアナ妃とでくわしたりした。
ある時、日常使いに使っているとはっきりわかる古いロールス・ロイスが骨董屋の前に止まりました。じつに良い具合にやれている。エンジンは「静粛なモーター」と言う感じで、いかにも作りの良さそうな音がしている。実に静かで、スパスパいうエンジンが空気を吸い込む音がしていました。
ドアを開けると、床には壁取り付けのシャンデリアがダンボールに入って置かれていて、革のシートの上にはお行儀よくスチュアート王のと同じようなスパニエルが座ってにこにこして尻尾をふっていた。
「スナイプ、Stay !(おすわり)じっとしてるんだぞ。」
そう言って運転してきた男性(42~43歳ぐらい)は店内に消えました。私はロールスを眺めていましたが、その男性は店主を連れてきて、
「もう家の改装でいらなくなったんだが、使い道はあるかい?」
などと買取交渉。商談成立のあと、店主は箱をクルマからおろしました。店主は「いいこだ~♪」とか言いながらスパニエルの頭をなでたりしている。
これはかなわないな、と思いました。日本の自動車マニアなら、犬をRRの革シートの上に乗せるなんてやったら半狂乱になるのではないか(笑)?
その時、自分には宝くじがあたっても古いRRなんて無理、と深く納得した。
彼らにとっては、それはSocial respectability と そのコストのバランスの上で「経済的」だと思ってやっている。
英国では自分の家のガレージのソファは革と相場が決まっている。それはホコリがついても、モケットのように中に入ってしまわない。馬の鞍のように払えばきれいになる。自動車の革シートも本来はそういう意味であったはずです。
日本では、なぜかそれがチリひとつない応接間に、威圧するために置かれたりする。肩の力が抜けていないように見える。
ヨーロッパの人がものすごいジュエリーを買うのは、万が一の戦争の時など、身につけて逃げられ、逃げた先でそれを売って、その先で新しい生活を始める資金源とするための一種の保険です。単に贅沢のためにしているのではない。
私もいいオヤジなので、あまりに「人生に疲れた感じはよくないかな?」と思うのですが、このつりあいはむずかしい。ようやっと、うちの祖父がしていたような国産の金メッキの腕時計の古いのぐらいはしてもいいかな?と思うようになりました。
まあ、残りの人生で「メッキが剥がれる」こともないでしょう(自分もね。爆)。
お仲間のブログに面白いものが出ていました。「クラス・カリュキュレイター」という英国のBBC放送局がつくったもの。ぜひやってみてください。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-22000973
これで「エリート」のカテゴリーに入らなかったら、サンビームの自転車とか、アルヴイス、ベントレーはやめておいたほうが無難かもしれません(笑)。
私は?なぜか「エリート」に入りました♪。日本の集合住宅にすむ大貧民、英国のエリトートとなる(爆)。