もし自転車に乗っていて、セメントとアスファルト以外に物が見えず、植物も山も見えなかったら?
まあ、つまらないでしょう。
もし自転車に乗っていて、空も星も月も見えなかったら?
さぞかし爽快感がないでしょう。
もし空気がおいしくなかったら?水がおいしくなかったら?
走っていることが苦痛でしかないでしょう。
川へ行って、魚介や水棲動物がいなかったら?草むらにバッタやこおろぎがいなかったら?
生き物のいない死の川、死の草むらでしょう。
どこまで走っても、どこまで行こうと同じコンビニ、同じ規格建築で風景がまったく変わらなかったら?
旅は退屈このうえない。
どこへ行っても同じコンビニで同じものを飲み、規格の味の珈琲・紅茶をフランチャイズで?
それはただの、「水の代替品の添加液」。
兵隊の制服のような規格のウエア、規格の戦闘モード自転車が、大量に赤い国からやってくる。
ヘルメットをかぶり、走りで戦う兵隊の制服。
どこまで走っても灰色のセメントの壁、セメントの柱、無機質な光の金属のものが垂直に並んで立つ。
現代と言う名の牢獄。
セメントの迷路を走り回るイノシシは幸せか?やがて死に至る疾走ではないのか?
どこへ行っても電波の網にとらえられ、呼び出され、GPSで管理される。
それで本当に幸せなのか?
幸福な時代の記憶を輸入して「干物」として壁掛か?朽ち果てるにまかせるお飾りか?自由へ動き出せ。
雨ざらしの、囚われのアンドロメダを救え。
軍服を着ないレジスタンスは、自然にまぎれる自由の自転車に乗る。