シートステーの上の部分、いままではすべて集合ステーにしていましたが、フレームサイズによっては、MTBのようにくの字に曲げてやったりしないと、カンティが付かなかったりする。ここを寸法的に逃がすのに、別のやり方はないか?と、ちょっと古風にやってみた。
この形状は1910~1930年代まではけっこうヨーロッパではあった。WW2のあとなくなったのですが、チネッリだけは、なぜかこのやり方をやっていた。
最近はここの部分を細く、やり状にロストワックスでやったものが多いですが、それは『芯だしが簡単になることが大きい』。最後の帳尻を合わせやすい。ここがガッチリとまっていると、よほどしっかり芯を出していないと、動いてくれませんから。
しかし、ちゃんとやっていれば、長年にわたって芯が狂いづらい。以前、Cのフレームのこの部分のまわりに塗装が細かいクラックが入っているのはアップした。つまり、ここはけっこうよじれている。
チネッリはそう思って、あえて、古風なやり方をしたのだろう。また、シートスティとラグの左右をくっつけることで、緩めた時、ピラーが抜けやすくなるということも考えたのではないか?
ただし、チネッリ型だと、このナットの当たる部分は表面がこじられて、長年の使用でけっこう段差ができたり、面が荒れてくるのをみている。
うちは、そんなわけで、1930年代のクロードバトラーやパーシー・エリス・チャンピオンのやりかたでやってみた。シートスティを径で2mm大きくしてあるので、乗り味に出るはずです。