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Channel: 英国式自転車生活
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競争病

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乗り物にはどうも『競争病』というのがついてまわる。これはその国の国民性とかとも深くかかわりあっている感じがする。

まず最初は『人より速く走る』ということ。速く走ればそれだけ危険も増すのだが、そちらのほうは眼に入らない。速く走る不便さというのは、たびたびここで書いているのでとりたてて書かない。

自転車に関しては、私は絶対的な速度よりも『爽快感』が重要だと思っている。絶対的な速度が速いのが快適なわけでも、楽しいわけでもない。それは、私は父がクルマ・マニアだったことから、ずいぶん早くに学習した。

速さが善でないということは、速度が速くなればなるほど『実用性が薄れて来る』場合が多い。自転車のロードレーサーの場合、ツィードジャケットを着て乗ることも出来ない。洒落たカフェやレストランをみつけたら、下着をはかず、股間にワセリンを塗った水着のようなレーサーパンツで、靴をカチャカチャいわせて、ガニ股気味で店へ入るのか?

最近の陸上競技の女子のウエアはたいへん小さくピチピチになっているが、まさか、あれを着て街中をジョギングする人はいないだろう(笑)。私は気にしませんが、男性のは見たくない(爆)。それを着てレストランへ入るなどというのはますます考えられない。不自然さがないのは競技場の中だけ。それでは自転車はどうなのか?


じつは一昨日、2組、男女がロードに乗っていた。問題は男性がロードレーサーを女性に貸したらしく、男性が1万2千円級の安物買い物自転車に乗り、彼女の方が『ゴムぞうり』でロードレーサーに乗っていた。思わず、私は注意をした。ビンディング・ペダル用の『ねこの握りこぶし』のようなペダルをゴムぞうりで踏むなどと言うのは論外の危険さだ。そもそも、下駄ばき、ゴム草履はきでの自転車は、ほんとうは違反だ。

Youtubeで最近、自転車事故を起こされた俳優さんの動画をみた。なんとも残念だと思う。その俳優さんは湖まで向かって走っていたのですが、自然の中を走る気持ちの良さを何回も語っていた。それはスピードから来る気持ちの良さではない。ある程度、軽量でよく走る自転車でありさえすれば楽しめるものなのだ。

他の人のペースに合わせて、体力を温存して、『仕掛ける』などと言う必要がなければ、段数はそれほど必要ない。道路は自動車がたくさん走ったあたりは、道路が光っていて滑りやすくなっている。道路の凸凹でタイヤが接地を失ったときでも、すぐに戻るように、ある程度の太めのタイヤを入れたらよい。28Cとか30Cとか。そうすればカーヴでの安定性は一段と増す。

事故の際に頭部や頸椎、脊椎などをやられないよう、前転してしまわないように、強い前傾ポジションは避ける。ある程度姿勢を起こして乗るような車両。

もっと割り切って、アップハンドルにしてしまえば、状態が起きて、景色はもっと楽しめる。

ペダルをある程度の回転数以上上げるためには、サドルを前方にセットする必要があるが、そうすると、サドルは幅を狭くしないとペダリングの邪魔になる。そして、細いサドルが股間に入ったようになる。いわば『カナリアのTの字の止まり木が股間に入ったようになる』わけだが(爆)、そうすると、脚が疲れた時、上半身の重量がモロに股間にかかる。男性の場合は上半身の重さで『インケー海綿体』を『ロスのない硬いサドル』で挟んで振動を与えるわけだから、毛細血管に良いはずがない(爆)。

男性なら硬いサドルで『股間がしびれた』経験で、『これはやばい』と感じた人は少なくないはずだ。

うちのブログは『どういう検索ワード』でたどりついたかわかるわけですが、『サドルの痛み』というのが、毎日20人ぐらいいる。それくらい切実なのだ。

ビギナーは、『雑誌の言うように、何か特別な調整をすると、マジックのようにサドルの痛みが消える』と考えて、調べまくっている人が多いに違いない。

アップハンドルにして、幅の広いサドルにすれば、骨盤の両端がサドルに重量をかけて、股間はさわらなくなるわけだから、サドルの痛みは解消できる。それが自然な解決法なのだが、『速く走ろう病』にかかっていると、そのふんぎりがつかない。

アップハンドルの車両はべつに、それほど遅くはない。忍野八海から道志路で帰って来る時、私は白いコットンのつばの広いファブル帽をかぶり、白いコットンシャツ。麻の長ズボンにうしろにパニアバッグを付けて帰って来たが、途中ずつと山伏峠の先まで、最新のロードに乗ったホビーレーサーの夫婦らしき人がいた。途中で何度も振り返る。『この白づくめのオヤジは仙人か???』という感じで、ヘルメットにサングラス、レーシングウエアで私のほうを見ていた(笑)。登りで飛ばすんですが、私を千切れなかった(爆)。

屈辱だったでしょうね。いわば、フルフェイスのヘルメットをかぶりノーメックスの耐火つなぎウエアを着て、超車に乗っている人が、ウーステッドの背広を着てサルーンカーに乗っているオヤジに負けたようなものだ。


しかも、パニアバッグからは湖畔で買ったトウモロコシが金髪をなびかせていた(爆)。


『成敗っ!』とのぼりが切れる最後で、スパートをかけて追い越した。後は下りだ。タイヤの太いこちらのほうが安心して飛ばせる。私にもいくらか『解脱途上の競争病』がないことはないが、これはあくまで『成敗のために伝家の宝刀を抜いているまで』(笑)。

自然の中の爽快感はレーサーでもそうでない車両でも同じです。ツーリング車で『軽い走り』は実現可能だ。

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