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Channel: 英国式自転車生活
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若い世代は?

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近頃の若い人を見ていると、『一打逆転のチャンスがきわめて少ない』ように見える。これは、別の言い方をすると、中学生ぐらいまでの間に、どうしようもないスタートラインの差がついてしまうということです。

先日、MIYAさまのGO-KON約のお相手の少年時代からの経歴をみて、ふ~~~んと感心した。もう両親がそうとう裕福で、かつ自分自身の人生の自由度が大きくないと、あの経歴でこどもは育てられない。

英国では19世紀のころ、親はどうしようもないジンばかり飲んでいる飲んだくれでも、こどもは実は優秀で天才と言うことがあるだろう、ということで、まず親と子を切り離し、並行する道筋で、トーナメント状態で頭角をあらわせるようにしたようなところがある。

デーモン・サッチャーがそうとうそのシステムを破壊してから、英国のノウハウや知的遺産はずいぶん海外へ流出した。また、それを強烈な意思を持って取りに来る人たちがいる。

英国の大学の学費はサッチャー時代に『爆増』したわけだが、そこで、進学できる人はかなり裕福な人たちになってきて、かつ、その莫大な学費が出せる国を後ろ盾にした学生が大量に来ることになった。


それは大量の学生が押し寄せ、90年代にはビックリするほどどこにでもその国の学生がいた(日本の隣国)。その頃、日本はというと、東京の『愛思惟YOU』がいくらか生徒を送っていたぐらい。

たまたま、懐かしさから、いま学生真っただ中の人のチャンネルをYoutubeで観た。

CAMBRIDGE VLOG 13: Studying IN THE SUN

ごく普通の学生生活です。まわりにどうでしょうね、1割以上、隣国の留学生とおぼしき生徒が映っている。服装や髪型、アクセントから日本からの学生ではなさそう。そのブログの主は、NASAのシャツを着ている。たぶん、そいう方面の仕事につきたいのだろう。そのご学友ということは、その極東からの学生は自国で宇宙工学とかの方向へ進むのだろう。ケンブリッジからNASAへ就職している人はたくさんいる。逆に言うと、隣国はアカデミックなフィールドでやがて、そういうところと同レベルの若者を大量に育成しつつあるということだ。

日本は影が薄い。いまの日本の物理や科学、工学の世界のトップの多くは『鉄腕アトム世代』のように見える。海外で賞をとるのは、だいたい60歳以上だ。円周率を3と教わった世代は、自転車のスポークの長さの計算も実用レベルでできないわけだし。当たり前に2ケタの九九もやるインドなどとは勝負にならない。


日本で英語の様々な資格を取るというのは、多くの場合『会社の就職に有利』だからやるのではないのか?ちょっと、努力のベクトルが違う気がする。

このあいだ『R&Fさんは英語のちからを生かして、今度のオリンピックの時、ボランティアか何かやらないんですか?』と訊かれた。英語で答えたのだが、

『オレがそういうボランティアを受けないことには3つのGOOD REASONSがある。ひとつ、タダ働きをボランティアに期待するなら、建設関係もお国のためにゼネコンが無料で受けろ。ふたつ、オレは通訳の資格はおろか、英検3級すら持っていない。三つ、10日も講習を受けたりしてタダ働きをやっていたら、家計がなりたたない。』

残念ながら、この国での『英語力』は、そうした海外から取引先が来た時などの接待等の日常会話程度のレベルでとらえられている気配がある。英国の最高学府へ宇宙工学や理論物理学の最先端のことを学びに行こうというような『攻めの姿勢ではない』と私には見える。


私の知っているひとで、幼少期から家でピアノなどの楽器で遊ばせ、小学生の頃から乗馬とスキーを海外でこどもに習わせ、途中からパブリックスクールへ送り込んだ人がいる。そういうこどもは、大学に行くころに、すでに英語は母国語と同様に出来、楽器はこなせ、スキーも乗馬も出来て、ヨーロッパや世界各国の料理や服飾も身体に染み込んで、それで大学も向うなら、あるいは大学の後、スイスの専門学校などへゆけば、『危機脱出用の運転術』から『とらわれた時に脱出するためのアクロバットの授業まであるところがある』しかも、全世界に人脈が出来るわけですから。

そうかと思えば、30ギガバイトか50ギガバイトか知らないが(爆)、頭のメモリーを使って一心不乱に受験のための単語帳を覚えている人もいる。

無駄なのに。

単語は文章の中に入れて覚えない限り、使い物にならない。単語帳をいくら覚えても、まともな実用品の英文も書けないし、喋ることは出来ない。


通常の勝負では勝ち目がない。ようやく就職、、、というところで社長が、私は若いころ、ICに頬ずりをして眠って、いつかこれで大儲けしてやると思った、、、皆さんも同じように夢を持って、、などと言われても、時代が変われば、そういうチャンスはころがっていない。仕事屋スティーヴのようになれる確率は何億分の1以下だろう。

『じゃあ、どうすればいいんですか?』という声が聞こえる。

それは、一切の『レールの上の,資格のための勉強を、時間の無駄と割り切ってやらないこと』だろうと私は考える。『あの人は資格がないから、、』となめてかかってくる人に赤っ恥をかかせるぐらいの実力を密かにつければよいだけだ。また、逆に本当の実力をつけるためには、他人が何らかの都合で敷いたレールの上で勉強していたら、ロスがあまりに多く間に合わない。


私はいくつかの分岐点で、致命的なミスをやったが、それでも英検一つ持たず、英語でここまでやってきて、自転車整備士やマイスターの肩書も認定証も、JCAリーダーの資格も取らなかった。

若い人には、『まったく別ルートで集団の前に出る』ことを考えたほうが、勝率は高いと私は助言したい。

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