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Channel: 英国式自転車生活
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雨の日の走行、そしてその後始末

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金曜日の夜は国会議事堂へ自転車で参上。帰りはどしゃぶりでした。万が一にそなえて、シャツとズボン、靴下、それとこれは「秘密の技」なのですが、駐輪場に置いて帰るための自転車カバーをハンドルにビニール袋にいれて、それを防水ナイロンのバッグにいれてくくりつけました。

結果は?ウチのポンチョは中はサラサラ。まったく水が滲み込みませんでした。しかし、防水ナイロンのバッグのほうは1時間を越えるとぐっちゃりと裏のビニール袋が透けて見えるまでになりました。

これは「防水」とは言いつつも、傘などでも裏へ水気が滲みてくるものですが、サイクリストは長年それに悩まされてきた。それが自分の汗と混じって、耐え難くなる。私のポンチョはそういうことはありませんでした。オープンカフェのトイレで着替えたカンパニョーロのコットン・シャツも帰りつくまでサラサラ。帽子も大丈夫でした。

「総合」と「教育テレビ」のはざまで、『それって高くね』『華麗に~~~www』『500円の雨具で充分』、、、とか書いてありましたが、「 Damn ! I'd love to read all those things!」というところです。

家へ帰って、ぬるま湯のシャワーで雨水と汗を流し、バスタオルで押して水気をとっておくと、30分ほどで乾きます。そこへHUGO BOSSのオードトワレを、「ミスト」程度に吹いておけば、次回もさわやか。500円の雨具の内側にはどのような香りが?

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さて、まわりで、雨の日に乗ってフリーが具合が悪くなった、と言う人が2人ばかりおりまして、ちょっと考えていたのですが、

「私は雨の中ではほとんどフリーを滑走させない」

乗り方をこころがけます。それはなぜかというと、タイヤがしゃくいあげた泥水が終始リアのギアの上には降り注いでいます。そこでフリーを利かせずにこいでいると、なかのラチェットは食い込んだまま、ベアリングは回転していない。降り注いだ泥水は、下でポトポト落ちるか、遠心力ではじかれます。

タイヤが路面から泥水をしゃくいあげない低速になったら、やっと少しフリーを使う。

そういう乗り方は、固定ギア(フィクスト・ホイール)に乗ったことがある人ならすぐピンとくるでしょう。

そうしないと、フリーの中に泥水をのべつ注入しているような具合になります。そうなったら分解掃除をするしかありません。それを放置すると、フリーが利かなくなったりする。

翌日は、まず泥をぬぐいます。フリーのなかに泥や砂を押し込んでしまわないように、丁寧に払う。そしてコットンの布で、はずした後輪のハブまわり、コグのまわりを丁寧に拭きます。これは何度かやらないといけません。そして、チェンの汚れを布でぬぐい、チェンのコマの内側のよごれは竹串できれいに落とします。それから、古歯ブラシで、ギア周りとチェンをさらに汚れ落としして、再度ボロ布(ウェスといいますが)でぬぐいます。最後は、水のように薄い機械油でドバドバ注いでは拭き、汚れを落とし、「ジャリ感」が一切ないのを確認してから、今度は濃い目の油を注油する。

私がなぜ灯油やガソリンを使わないのかは、以前に書いたので、あえて書きません。「なぜ最近の液体でなく、機械油なのか?」という問いには、「なぜ工作機械にはいまだに機械油なのですか?」と、逆に質問して終わりとします。

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私のフロント・クランクは、なんでも最近、どこかのMOOK本で「買ってはいけない部品」とか書いてありました(爆)。おおいにけっこう。「これはぶすと言ってな。食べたら死んでしまうのじゃ」という狂言と同じか?

アームの長さがよくあるサイズでないので、スペアのチェンリングがない、というのがその理由のひとつのようですが、もう10万キロ以上を走って、ギア板はまったくフレていません。四国を一周し、大阪、京都をまわり、長野、山梨、静岡まで何度となく自走し、毎日乗って歩いて、駅へ乗り捨て、雨にうたれ、それでも、ギアはこのとおり残っていて、「チャッ」という微音とともに変速する。変速性能はストラーダのクランクより「はるっか」(っを入れて強調)に上です。ストラーダのあとのメルクスさまの時代の軽量リングは、山坂で踏み込むとたわんでフロント変速器の羽にさわりますが、トリオンフ、ヴィクトリーはそれの反省をふまえたので、そういうことがない。ネジがどうのとか書いてありましたが「自分が覚えていれば済むこと」。シュパーブの「セルフエキストラクテイング、フィキシング・ボルト」のアーレンキの六角穴は、長年の使用で穴が広がってしまいましたが、このクランクのカンパの六角穴はまったくなんともありません。だいたいクランクのフィキシング・ボルトは滅多にない7mmのアーレンキなので、ローデイーの持ち歩いている工具でははずせない。つまり盗まれない。そこがまた良いのです。ギアもこのとおり驚くほど減っていません(自転車が作られてから一度も交換していません)。ヴィチェンツアの方角へ向かって最敬礼してしまいそうです(笑)。チェンのほうは日本製で3回交換していますが、28号はリアセンターが長いので2台分必要です。ですので、チェンのほうが負けている、高くつく。このチェンもそろそろ外側のメッキが擦り切れているのが写真でもわかります。

この磨り減り方をみても、私がインナーギア中心に、「回転で乗る」傾向が見えるでしょう。7割方インナーギアを使って乗っています。「泥や砂、ホコリがついたまま乗り続けない」「チェンが伸びたら即交換」「回転で乗るので、強大なチェンテンションがかからない」と言う乗り方で、ギアは寿命がかなり変わります。「トルク型で乗る」→「チェンテンションがあがる」→「チェンが強くギアにあたる」→「ギアの磨耗がはやまり、強いチェンテンションでチェンも伸びる」というわけです。いわば、泥と砂のついたチェンををヤスリとしてギアを削る感じ。チェンテンションがあがれば、強くヤスリを押し付けているのと同じことです。

このインナーギアのサイズで、四国の山をめぐっても問題なく、日々の多摩丘陵でも問題ないわけですから、私はギアレシオや変速段数に関しては、ちょっと変わった意見を持っています。なぜ、ファウスト・コッピの時代には、フロント・インナー46Tでリアのロー23Tで、アルプスやピレネーの山岳をこなしツール・ド・フランスが走られていたのか?しかも、その当時ツールの山道は未舗装のところが多く、総全長も6000km弱でした。今より2000ほど長かった。それにはそういう事を可能にする乗り方、ポジション、走り方があると言うことなのです。私は20代、30代、40代、インナーに小さいスプロケットがはいらない、コッピと同じTAのプロフェッショナル・リングを使っていました。その名残がオリジナル28号のギア比に見えます。人には決してすすめませんが、私自身はこれで充分。TAのプロフェッショナル・リングには、「それを乗りこなす、乗り方をマスターせねばならない」と私は考えています。残念ながら、現代の日本の雑誌には、そうした1950年代のフル・オリジナルのレーサーを持って完璧に調子を出し日常的に使ったひとはおらず、乗り方を知っている雑誌編集者はほぼゼロなのが現状です。

アルミのリムでこのぐらいの距離を、雨の中乗ったら、リムのブレーキ面はギトギトになり、ブレーキングの時に出るアルミの泥水で、タイヤもねずみ色になり、車輪はアルミ泥だらけになりますが、オリジナル28号のリムはクロモリニッケルのリムなので、タイヤも汚れていません。果たして世の中は進歩しているのか?

私はこのギアリングのパターンが気に入っています。誰も買わずに安いので、すでに自分用に3セットと替え歯をおさえています。親方のところでも、誰も買わないので、「売れ残りだから、安くていいよ」と歯とシャフトがついて1万4千円だった記憶が(笑)。1万4千円で、このデザインと機能・性能だったら、同価格帯で互角のものは絶対ないのではないか?

それが「買ってはいけない」とは不思議な世の中です。

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