去年、老母が「おせちをどうするのか?」とカタログを見ながら思案していた。
買うのは簡単なのですが、「昔はこういうのはおせちには入っていなかったよな」というのがかなりある。
「来年は自分で作る」と言ったら、親戚までもがみんな「無理」だという。
「何を言ってるんだ。自転車を作ることから比べたら、お節料理などわけはない。」
とやってみたものの、忙しい身にはけっこうたいへんでした。
細かいことを言えば、何番目のお重には何を入れ、、というのが決まっているわけですが、人数も少ないし、みんないまや売っているものでもルールは守られていない。
黒豆を煮る。3日がかり。丸一日水に漬けおいて、それから3時間~4時間煮て、柔らかくなったらさらに砂糖を入れて煮る。そのとき古釘を一本入れる。それをまた1日寝かせ、十分水気を吸わせて、翌日もう一回煮る。餡子のような良い香りがする。水にしっかり浸っていないと豆がしわくちゃになる。黒豆はものすごく水を吸います。
それから水気を漉して、それを煮詰めて豆にかけて出来上がり。美味なり。
煮物は今年は金時人参を使った。これも美味い。さすがは有機無農薬。ニシンの昆布巻きも完成。このあたりで気力が尽きてくる(笑)。チキンもやりましたが、「はて??」これをお重に入れようとしている自分にあきれた。「これをどうやって箸で食べろと???」(爆)。
海老だの数の子だとかほかの魚類は冷蔵庫に入れなければいけないので皿でよい。
手が回らなかったのは栗きんとん。「マロングラッセでいいじゃないか」(爆)。
チキンには雑念が沸いた。「う~~~ん。これはまわりにぺコロスとサフォーク・キャベッジとグリーン・ピースだよな。ヨークシャープディングがそえられればもっといい。」
お重は古いものなので、ヒビがあって、水気が沁みこんできゅーーーっという音がするのを昨年気が付いた。今年はじかに入れず、間仕切りを入れた。修理に出すと半年以上かかる。漆ですから。昨年は修理に出すのを忘れた。今年こそは出さねば。
奇妙な和英折衷になりました。添加物、合成調味料がないので味は良い。煮物の出汁は全部変えているので煮物ごとに味が違う。「人参が花の形でなく、ただの輪切りではないか」などと言ってはいけない(笑)。そういうのは御殿女中が家にいる人が食べるものだ(爆)。
黒豆は作りすぎました。黒豆餡子の鯛焼きにでもしようか(爆)。