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Channel: 英国式自転車生活
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膝の痛い自転車

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かつて、ある雑誌の編集部員と話していたとき、誰それが膝を壊したという話をしていた。

「いや~、インプレライダーがプロスペックに乗り換えるや否や膝に水がたまって、などというのは洒落にならんだろう。硬すぎるフレームに乗って膝を壊しました、手術する羽目になりました、というようなことこそ公に書くべきなんじゃないかな?××君は大丈夫かな?彼も似たようなのに乗っているし、彼の場合は股関節側が痛いと言っていたぞ。」
「××さんは鍛えているから大丈夫でしょう。」
「キミはおかしなことを言うね。軟骨なんかは鍛えて強くなるわけないじゃないか。酷使すればするほど薄く摩滅して具合が悪くなるもんだ。高齢者が膝の痛みを言うのは、長年使って軟骨がすり減ったためからだからね。」
「そうなんですか?!?!」
「そうとも。紙ヤスリを軽く当ててしゅるしゅるやっても削れないけれど、力をかけてゴリゴリしたらゾクっと削れるだろう?だから重いギア踏んで、加速のたびに重量挙げのように膝にショックをかけ、しかも、それを受け止める側がしならなかったら、力が逃げない分、膝への負担が増えるだろう?わかりやすい話じゃないか。たとえば、台所のスポンジを4つ並べて、その上に板をのせ、その上を紙ヤスリで100gの力でこするのと、スポンジの代わりにレンガを置いて100gの力で紙ヤスリでこするのと、どっちがすり減るのか。剛性が高くフレームやクランクがにげず、力が逃げないということは、レンガを敷いたのと同じだろう。」

そろそろ、みんな固いばかりのフレームの問題点が見えてきて、スチールとかカーボンとか言い始めているわけですが、いまだクランクの話が出てこないのが不思議でならない。

私はヨーロッパで1920~1930年代の古いフル―テッドのスチール・クランクに乗ってみて、「ああ、こんなに楽なものがあったんだ」と感動した。私は30代~40代はウィリアムスのクランクとBSAのクランクばかり乗っていましたから、あれが膝を救ったのだと思う。

私と同年代、あるいはちょっと上の人たちで、『同時代性』にこだわった最新パーツで乗っていた人たちは、けっこう膝をやられている。遠乗りの時、『乗るたびに痛い』と途中で引き返す、50代、60代はけっこういる。

私は非常にそのあたりに神経質なのです。

昨日、組み直した26インチ28号に乗ってみてホッとした。膝にマイルド。

膝は痛めると長い。多くの場合癖になったり、すり減りが激しい場合や繰り返しの炎症で痛めた場合はもとにもどらない。乗れなくなるのが怖いので、私は固すぎる大断面フレームと増断面積クランクは決して使わない。

最近ヤフーブログはアクセス解析機能が付いたので、いろいろなことがわかる。「イイね」が少ないのにダントツに「ふみ心地で選ぶ」へのアクセスが多い。一日に400を超える。つまり、最近はそれほど固いフレームとクランクで膝に違和感を抱えている人が多いということでしょう。

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