数日前、当ブログの常連さんでうちのお客さんでもある人が、西への移住を決めまして、茅葺・藁葺きの家を修復して宿舎などとして再利用して生かしてゆく仕事に転職だそうです。
おめでとうございます。
私もじつは茅葺、藁葺き若い頃勉強したことがあります。うちの菩提寺が茅葺を銅葺きにして、それだけでも残念なのに、茅から銅にするのに屋根の傾斜を変えたのですが、中から見ると、建築現場の足場をつくるような感じでボカスカ古材に穴を開け、安物のユニクロームメッキの安いボルトをひん曲げて留めてあった。「俺にやらせたほうが巧い」と本気で腹がたった。しかも一切の断熱処理をしなかったために、真夏でも25度ぐらいまでしか温度があがらなかった寺の内部がたいへんな暑さになり、寺の内部全体がカビだらけになった。収拾がつかなくなって、開山800年、禅宗に変わってから500年の寺に、まったくそぐわないセメントの『擬似コルビジュエ建築』を建てるに至った。鐘楼の脚をセメントにして、寒さでバッコリ割れたのを忘れたか!喝~~~~~~!
世襲世襲でやってきて、ものの道理もわきまえず、やれ伽藍を作るだの金集めに必死になって、住職はビジネスホテルで中年にもならないうちに過労死・客死。そして、次もまた世襲。私が何年か前、お彼岸の時に行ったら成り立て見習いボーズは徹夜マージャンの疲れで起きてこられなかった。そのほかにも、世に媚びて抜擢した「指パッチンは自ら命を絶った」。修証義に言う「勝友」としてとうてい認められない。曹洞宗よ恥を知れ。道元さんが、亡き「えきほ」禅師が聞いたら嘆くぞ。行住坐臥を正しくしていれば人は敬いついてくる。自ら金に奔走するのは『徳不足』と知れ。
まあ、個人的な怒りはさておき(笑)、あまりにそこへの失望が大きかった時、英国で藁葺き屋根「サッチトルーフ」の18世紀の家が、当時イーストアングリアのほうでは800万円で買えた。
「あ~これならキャッシュで買えるし自分で直せる。日本からの語学留学生などに、昔からの英国の農村生活を体験させ、語学と文化を同時に学ぶ場所に出来る」
との目算もあり、本気で買うつもりでいました。その後、いろいろあって、祖母が失明して家へ引き取ることになったりして、果たせませんでした。
あれが出来ていれば、古いロードスターでも直して学生用にして、サラブレッドの発祥の地ニューマーケットまでサイクリングとか、じゃがいもは芽が出ないように林檎と同じ箱に入れろとか、いろいろやれたはずなのですが。
七人の侍の勘兵衛の一言ではありませんが、
「手柄を立てて、故郷に錦の幡を持って帰る。それがどうだ。気がつけば髪に白いモノが混じり、友の多くは死に、親戚や家族もほとんど世を去った。」
進むべき道を変えるのは早いほうがいい。
日本の都会などにいてもロクなことはない。近くの神社から流れ出る水が、セメントで固められ、ドブになっていますが、鳥たちがそのドブの水を飲んでいた。
フクシマのALPSは相変わらずまともに作動しない。それで汚染水をためてしまったタンク数十本も、やがては海に流すとか言うのではないのか?
目先の利害しか見えない連中に引きづりまわされるばかりなら、人間も国中セメントで固められた川のドブのような水を飲む鳥のようになるしかないでしょう。
誰かが踏ん張らないといけない。もう一人の当ブログの常連さんは、英国へ戻る決意を固めたらしい。
自然が破壊される一方で、ゲンパツのほうもどうにもストップがかからない。それに加えて山が霞むほどのPM2.5に嫌気がさしたもよう。
それは私もよくわかりますが、人生の残り3分の一、4分の1を海外で故郷喪失者として生きるというのはたいへんな決断です。
私は?刺し違えてでも、もう少し若い世代のために、自転車が走れるように道を掃除をしておきたいと思う。