私は以前から「スクティ」とか「マトン・チョエラ」が大好きでした。これはネパールの山岳民族の肉料理なのですが、このスクティはマトンの肉を干したもので、1年ぐらいは持ちます。ただし、ものすごく固い。
たぶん、干している間に、もとは10kgぐらいあったものが、800gぐらいまで縮んでいるのではないでしょうか?ものすごく固い。まるで肉で作ったカツオブシと言う感じ。
気候が違うのと、肉それ自体が違うのでしょう、輸入の物と日本で作ったものでは香りも味もコクもまるで違います。
それを加熱して、油でもどして、それから料理をするわけですが、これが美味い。ただし歯にはそうとうきます。もとの肉が相当な量だけに、かなりの栄養も濃縮されているようです。食べたあとは身体が絶好調。
ネパールではとうてい庶民に手の出るものではないそうです。1週間とか2週間分の給料と一皿が同じくらいらしい。コックが一時帰国したときに、一山背負ってきたそうで、私もそのわけまえにあずかりました。
まさに至福のひととき。
「贅沢というのは現実的な収入ではない」としみじみ思います。