台風はへんなコースを取るし、いくら秋の長雨とはいえ、今年は少々ひどい。私は男性ながら毎日の買い物をしているので、野菜がそうとうこの天気でやられているのを感じます。茄子なんかでも全体の3分の1以上がかさぶたみたいになっているものまで店頭に並んでいる。いつもはそういうのは並びませんから。
昔みたインドネシアの映画で、長い軒先のむこうにザァザァ雨が降っているのを、お爺さんが煙草を吸いながら眺めていて、思い出したようにガルーダの木造を彫り始めるのを見ていて、なんかいいなと思った。
そういう生活がアジアの原点の気がする。
日本の古建築も、みんな長い軒があったり、縁側があったり、雨の日でも居心地がいい。さらに隅にはアリジゴクのすり鉢があるような、土間があったり。カマドウマがいたり。
そういえば、アリジゴクの巣もカマドウマも10年以上見ていないのではないかな?
あの『軒先と縁側の落ち着きは国外へ出ると懐かしい』。英国なら雨宿りは紅茶とケーキの香りの湯気が立ち込めるティーショップか、フィッシュアンドチップスとステーキの香りのパブの中と決まっている。
もう25年ほども前の話。ある高名な建築家が自分の自宅の設計で失敗をやった。木造モルタルで軒のない家を建てたところ、振り込む雨で軒が腐ってきて、しまつがつかなくなって、建て替える羽目になった。
『日本では軒のない家は建てたらいけないんですねぇ。』
としみじみ言っていましたが、彼の設計した都内の音楽などのホールも取り壊されているはず。
『伝統の中にある居心地の良さのエッセンスの抽出』を怠っている建築家が多いと思う。
世田谷の家は軒の下に4畳半以上の自転車スペースを作って、床には四角い敷石を敷いていた。屋根は光がとおるようにしていたので明るい。そこに縁側があって、お茶など飲みつつ雨音を聞きながら自転車を眺めていたものだが、雨になると庭のヒキガエルが活動を開始して、軒の下をうろうろ歩き回っていてなかなかよかった。
どういうものだか、雨が降ると「ここでパイプを一服するとなぁ、、」とか思う(笑)。
人によっては、禁煙して『タバコのラインダンス』を見たりするらしい(爆)。私はそれはない。いまだに(-。-)y-゜゜゜再開の気配はない。